山座円次郎

山座円次郎の生涯

山座円次郎（やまざ えんじろう、1866年10月26日 - 1914年5月28日）は、明治・大正期において重要な役割を果たした日本の外交官であり、外務省政務局長や駐中国特命全権公使として知られています。彼の功績は、今もなお評価されるべきものであり、日本外交の歴史においてユニークな存在感を持っています。

生い立ちと教育

福岡藩の足軽である山座省吾の次男として生まれた山座は、福岡に軸を持ちつつ成長しました。彼は修猷館という藩校で学び、その後、東京での留学を希望して小野隆助の後援を受け上京しました。上京後、彼は著名な天文学者である寺尾寿の弟子となり、その後も共立学校や第一高等中学校で学びました。結局、東京帝国大学法科大学の法律学科を首席で卒業することになります。彼の在学中には、夏目漱石や正岡子規といった文学界の巨星たちと同学していたことも特筆に値します。

外交官としてのキャリア

山座は外務省に入省後、釜山や仁川の領事館などで勤務し、順調に昇進します。明治34年（1901年）、わずか36歳にして外務省政務局長に選ばれると、その才能は広く認められ、「山座の前に山座なく、山座の後に山座なし」とも言われました。この期間中に、彼は日英同盟の締結や日露戦争の開戦に関与し、その外交戦略が日本の国際的立場を強固にしました。

日露戦争とポーツマス講和

日露戦争では、山座は戦争を起草し、ポーツマス講和会議にも随行します。この会議は彼の外交手腕が試された重要な瞬間であり、西洋との関係性を深化させる鍵となりました。彼は小村外相から特に信頼され、その結果として多くの外交政策に寄与します。

駐中国特命全権公使へ

大正2年（1913年）には、中国に赴任し、辛亥革命後の動乱の中で活動を展開しました。山座は、旧知の孫文を支持しており、彼の活動に影響を与えています。しかし、彼のキャリアは、彼が暗殺されたという噂や状況から一転、亡くなることになります。

家族と影響

彼の家族には、妻の賤香や技師の子道雄がいます。また、彼は玄洋社というその後の民族運動に大きな影響を与えた組織の一員でもありました。さらに、山座は後輩の広田弘毅を外務省に導いたことでも知られ、彼の後を孫文や朝鮮の政治における要人たちと結びつける役割も果たしています。

最後の時

山座は北京で客死し、彼を支持しなかった勢力による暗殺説も存在します。彼の墓は青山霊園にあり、友人や同志たちと共に遺骨が葬られている場所として今も訪れられています。多くの業績とユニークなエピソードがある彼の生涯は、今なお多くの研究や議論の対象となっています。

結び

山座円次郎の歩みは、日本の歴史における重要な外交の一端を担ったものです。彼が示した情熱と運命は、外交の世界での特異な経歴を作り上げ、今もなお我々に多くの教訓を提供しています。

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