坂越港

坂越港の概要

坂越港（さこしこう）は、兵庫県赤穂市に位置する地方港で、地元の港湾管理者は兵庫県です。この港は統計法に基づいて乙種港湾に分類されています。坂越湾沿いに位置し、瀬戸内海に面しています。その特徴的な自然環境には、天然記念物として指定されている生島があり、港はその保護を受けて自然の良港として発展してきました。

歴史的には、江戸時代に赤穂塩の荷役や、千種川上流の幕府領の年貢を積み出すために利用され、廻船が頻繁に訪れる場所でした。過去には久三商店が当港で船舶の解体を行い、一部は有名な東海汽船の椿丸などでした。近年（2015年度）の統計によると、当港の発着数は47隻に達し、総トン数は2,523トンでした。

航路の変遷

1880年代には、大阪と坂越を結ぶ航路が大阪商船や姫路汽船によって開設されました。この時期、港は活発に利用されましたが、陸上交通の発展により旅客数は減少しました。1912年には、航路の営業権が姫路汽船から大阪商船に譲渡され、奥藤家が創業した奥藤汽船へと移転しました。同社は日生港までの航路延長を果たしましたが、1918年には経営難から営業を停止し、その結果、航路は廃止されました。

港湾施設の整備

港湾施設に関しては、昭和40年代前半に台風による高潮によって大きな損害を受けたため、防潮堤が建設されました。しかし、その後老朽化が進み、機能が不足しているのが問題視されました。特に防潮堤は高さが道路面から2メートル以上あり、海と集落を隔てていたため、更新が急務となりました。

1993年4月には坂越港ふるさと海岸整備事業として工事が始まりました。この事業は連絡協議会を設置し、地元住民も参加した形で進められました。整備事業は2004年度までに全長860メートルの緩傾斜護岸と飛沫防止帯の整備を完了し、2005年度には旧防潮堤を撤去しました。新たに整備された海岸は海岸景観と親水性に配慮した構造となっており、飛沫防止帯にはかつての松林を復元するために松樹が植樹されています。

このように坂越港は歴史的役割を持ち続けながらも、現在は住民の生活環境の整備や地域活性化にも力を入れており、地元の魅力を高めている重要な地点となっています。

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