坊っちゃん団子

坊っちゃん団子とは

坊っちゃん団子（ぼっちゃん団子）は、愛媛県松山市の銘菓として知られています。その名前は、夏目漱石の小説『坊っちゃん』に由来しています。

由来

小説『坊っちゃん』の中で、主人公が「大変うまいという評判だから、温泉に行った帰りがけに一寸食ってみた」と語る団子が、この坊っちゃん団子のルーツとされています。漱石が松山に赴任していた際の体験がもとになっているこの小説に登場する団子は、当時は湯ざらし団子と呼ばれるものでした。赤餡と白餡の団子が三つ串に刺さったシンプルなもので、伊佐庭如矢町長が道後温泉本館の近くで経営していた茶店で提供されていたといいます。

その後、1921年（大正10年）に、当時「つぼや菓子舗」の店主であった野田宇太郎が、自身の店が小説に登場していることを知り、現在の坊っちゃん団子を開発しました。この時、「坊っちゃん団子」という名前も付けられたとされています。

小説の中では、坊っちゃんが訪れた団子屋は遊郭の入り口にあるという設定になっていますが、現在その場所には団子店はありません。しかし、夏目漱石が通ったとされる「つぼや菓子舗」は、現在も道後商店街に移転し営業しており、坊っちゃん団子の原点とも言える「湯晒団子」も販売しています。

商品

現在、一般的に「坊っちゃん団子」として知られているのは、抹茶、卵、小豆の3色の団子が串に刺さったものです。道後温泉商店街をはじめ、松山市内各地のお土産店やホテル、駅、空港などで購入することができます。

坊っちゃん団子は、複数の製菓会社で製造されていますが、最も早く世に出したのは道後温泉街にある「つぼや菓子舗」とされています。ただし、現在お土産として最も多く販売されているのは、日持ちの良い「うつぼ屋」の商品です。また、食べやすいように、一本ずつ小型トレイに入れたミニサイズの商品も販売されています。

ちなみに、かつて『だんご3兄弟』という歌が流行した際、3色の団子である坊っちゃん団子も一緒に注目を浴び、よく売れたそうです。

参考文献

鶴村松一『伊予路の道後温泉』

外部リンク

夏目漱石 坊っちゃん - 青空文庫
坊っちゃん団子 - うつぼ屋
* 湯晒団子 - 公益財団法人松山観光コンベンション協会

もう一度検索