坪上貞二

坪上貞二（つぼかみ ていじ）

1884年6月1日、佐賀県に生まれた坪上貞二は、日本の外交官として多岐にわたる要職を歴任しました。1979年5月28日に生涯を閉じるまで、激動の時代を駆け抜けた人物です。

生い立ちと初期のキャリア

1909年に東京高等商業学校（現在の一橋大学）を卒業後、外務省に入省。1912年にはウラジオストク外交官補としてキャリアをスタートさせました。その後、外務省アジア局第2課長、外務大臣官房会計課長、文化事業部長といった要職を歴任し、着実に外交官としてのキャリアを積み重ねていきました。

満洲での活動

1935年には、満洲国、南満洲鉄道、三井合名会社、三菱合資会社の出資によって設立された満洲拓殖株式会社の総裁に就任。1937年には満洲拓殖公社総裁となり、満洲における日本の権益拡大に尽力しました。1940年には満洲国参議府参議にも就任し、満洲において重要な役割を担いました。

太平洋戦争とタイとの関係

太平洋戦争が勃発した1941年、坪上貞二は初代駐タイ特命全権大使としてタイに赴任。1941年12月8日には、マレー作戦においてタイ王国のプレーク・ピブーンソンクラーム首相との間で、日本軍のタイ通過を認める日泰攻守同盟条約を締結しました。この条約は、第二次世界大戦における日本の東南アジア進出において重要な役割を果たしました。

戦後の活動

第二次世界大戦終結後、GHQによって公職追放の対象となりましたが、追放解除後は、日華学会評議員、日本科学振興財団評議員などを歴任。また、財団法人日本海外協会連合会（現在の国際協力機構）では、副会長を経て、村田省蔵初代会長の後任として第二代会長を務め、日本の国際協力に尽力しました。

著書

坪上貞二は、著書も残しており、その中で『満洲移民の現状の百万戸移民計画』(1938年、拓務省拓務局)は、当時の満洲における移民政策の実態を伝えています。

まとめ

坪上貞二は、外交官として激動の時代を生き抜き、満洲での活動やタイとの関係構築に大きな役割を果たした人物です。戦後も日本の国際協力に尽力し、その生涯を通じて日本の発展に貢献しました。

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