坪井勧吉

坪井勧吉：地方行政と警察行政に貢献した官僚

坪井勧吉は、1884年（明治17年）1月8日に愛知県で生まれ、1970年（昭和45年）5月29日に生涯を閉じました。彼は、日本の内務・警察官僚として、また官選県知事、姫路市長として、地方行政と警察行政の両面で重要な役割を果たしました。

エリート官僚としての出発

坪井勧吉は、坪井政兵衛の長男として生まれ、第五高等学校を経て、1911年に東京帝国大学法科大学を卒業しました。同年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、内務省に入省。神奈川県属としてキャリアをスタートさせました。

多岐にわたる地方官僚としての経験

神奈川県では、警視、理事官を歴任し、その後、秋田県、岡山県で警察部長を務めました。さらに、香川県、山口県、山形県では書記官・内務部長を歴任するなど、地方行政において幅広い経験を積みました。

香川県知事としての業績

1929年7月には、香川県知事に就任。在任中には、塩江温泉鉄道の開通に尽力し、地域振興に貢献しました。その後、1931年6月には高知県知事に転任しましたが、同年12月18日に知事を依願免本官となり退官しました。

姫路市長としての活動

1939年10月から1943年10月までの間、姫路市長を務めました。市長として、姫路市の発展に寄与しましたが、その詳細な活動内容については、さらなる調査が必要です。

戦後の公職追放

戦後、「翼賛支部長」であったことを理由に公職追放の対象となりました。これは、戦時中の協力体制が戦後に批判された結果であり、坪井勧吉のキャリアにおける一つの転換点となりました。

まとめ

坪井勧吉は、明治から昭和にかけて、内務・警察官僚として、また官選県知事、姫路市長として、日本の発展に貢献しました。地方行政と警察行政の両面での経験は、その後の日本の地方行政の基盤を築く上で重要な役割を果たしました。戦後、公職追放という不運に見舞われましたが、その功績は日本の歴史に刻まれています。



参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
姫路市役所『広報ひめじ』No.434、1970年6月30日。
総理庁官房監査課編『公職追放に関する覚書該当者名簿』日比谷政経会、1949年。

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