坪井川 (熊本県)

坪井川について

坪井川（つぼいがわ）は、熊本県熊本市を流れる二級河川です。この川は熊本の歴史や文化と深い結びつきを持ち、特に熊本城との関係が深いことで知られています。

地理

坪井川は熊本市北区改寄町から発源し、南へ流れていきます。途中、熊本市北区飛田町で堀川と合流し、その後、熊本市北区清水町を通過していきます。その流れは熊本城や熊本市役所、熊本駅など、都市の中心部を貫通し、西へと進むのです。最終的には、熊本市西区上高橋付近で井芹川と合流し、熊本市西区小島下町と松尾町の境界から有明海の島原湾に流れ込みます。

流域の特徴

坪井川は熊本城の内堀としても利用されており、この流れに沿って国の重要文化財に指定された長さ242メートルの長塀が存在します。また、この川は旧市街地を貫く河川でもあり、橋本勘五郎の設計による明八橋や明十橋などの歴史的な石橋が架かっています。坪井川に関連して童歌「せんば川」に触れられることもありますが、これは湾流する坪井川を指しているとされています。

上流の特徴

坪井川の上流には、八景水谷水源があります。これは熊本市北区清水町山室に位置し、遊水池としても機能しています。八景とは、細川藩五代藩主の細川綱利が茶庭を設け、近江八景にちなんで名づけたもので、様々な自然の景観が挙げられています。この八景水谷は、1924年に熊本市水道局の水源地としても利用されていましたが、近年は湧水量が減少しつつあり、枯渇の懸念が強まっています。また、坪井川遊水公園や坪井川緑地として整備されており、市民の憩いの場ともなっています。

下流の重要施設

坪井川の下流には、石塘跡や高橋稲荷神社、千金甲古墳といった歴史的名所が存在します。

河川改修の歴史

坪井川の河川改修は江戸時代に加藤清正によって始まりました。当初は白川が大きく蛇行して流れていましたが、清正による治水対策により新しい河道が開削されました。この変更によって、坪井川は有明海と城下町を結ぶ重要な物流ルートとなりました。その後、合流地点に石塘が築かれ、合流地点が変更されることで川の流れが現在の姿となりました。

昭和時代には、坪井川の流れを堀として利用するために大規模な改修が行われました。さらに改修を経た結果、現在では熊本市内を流れる川として市民の生活に密接に関連しています。

流域自治体と交通

坪井川は熊本県と熊本市北区から中央区、西区にかけて流れています。その流域にはいくつかの交通路が整備されており、国道や県道、公共交通機関が充実しています。

支流の存在

坪井川には多数の支流が存在し、小糸山川や井上川、糸山川などが流入しています。これらの支流も坪井川に命を与えている要素の1つです。

周辺の施設

坪井川周辺には、熊本市立寺西中学校や熊本市立小島小学校、そのほか多くの学校と公共施設があります。これにより河川は単なる水の流れではなく、地域社会の重要な一部となっているのです。

坪井川は、その豊かな歴史と文化、さらには地域の発展に貢献する重要な河川として、熊本市民に愛され続けています。

もう一度検索