坪内瞳

坪内瞳：女子野球の先駆者、選手から監督へ

坪内瞳（つぼうち ひとみ、1984年6月5日 - ）は、静岡県三島市出身の元女子プロ野球選手であり、現在は野球指導者として活躍しています。現役時代は、投手、内野手、外野手として、兵庫スイングスマイリーズでその才能を発揮しました。2013年6月には、日本女子プロ野球機構（JWBL）史上初の女性監督として、ノース・レイアの指揮を執りました。愛称は「けんさん」として親しまれています。

経歴

小学4年生の時に地元の軟式野球チームで野球を始めた坪内は、中学卒業後、女子硬式野球部のある埼玉栄高校へ進学。そこで出会った同級生の一言から「けんさん」と呼ばれるようになります。犬好きだったことから、自ら「犬（けん）さん」とアレンジしたというエピソードも。

平成国際大学に進学後も女子硬式野球部に所属し、ヴィーナスリーグ関東女子硬式野球大会では、投手としてベストナインに3度選出。2008年秋には最優秀選手に輝きました。大学卒業後もコーチ兼選手として大学に残り、後輩の指導にあたりました。

2009年、日本女子プロ野球機構による第1回合同トライアウトに合格。同年12月のドラフト会議で、兵庫スイングスマイリーズから内野手として3位指名を受け入団。小西美加や川保麻弥らと共にチームの中心選手として活躍しました。

プロ野球選手としての活躍

プロ1年目の2010年には、打者としてリーグ7位の打率を記録。当時リーグ唯一のサイドスロー投手としても20試合に登板し、2勝を挙げました。2011年には、初完封を含む4勝をマーク。打率もリーグ8位となり、外野手部門でベストナインに選ばれるなど、投打にわたりチームに貢献しました。

2012年には、チーム最年長選手として、若い選手たちのまとめ役や、兼任コーチに就任した川保の相談相手としてもチームを支えました。この年は自己最高の打率.337を記録し、2年連続で打率8位。投手としても先発・リリーフとして16試合に登板しました。

しかし、「来年への課題と向上心よりも、やり切ったと言う達成感の方が大きくなってしまった」という理由から、2012年シーズン限りで現役を引退しました。

引退後

引退後はJWBLのスタッフとして、オールイーストJAPANの練習サポートを担当。2013年6月13日には、ノース・レイアの監督に就任しました。JWBLにおいて、女性およびJWBLでプレー経験のある人物が監督に就任するのは初のケースでした。

その後、2014年からは日本大学国際関係学部女子硬式野球部監督を務めています。当初はスタッフとして参加する予定でしたが、監督就任となり、孤独を感じることもあったと語っています。2019年春には長女を出産。現在は、育児と両立しながら、男子野球部コーチに選手指導を任せつつ、監督としてチームを支えています。

坪内瞳は、女子野球界の発展に大きく貢献した人物として、その功績は語り継がれています。

プレースタイル

現役時代は、打撃センスに加え、投手としても多彩な球種を操る器用さが光りました。サイドスローからの投球は、打者にとって的を絞りづらく、貴重な戦力としてチームに貢献しました。

人物

愛称の「けんさん」からもわかるように、親しみやすい人柄で、多くの選手から慕われています。指導者としても、選手一人ひとりの個性を見抜き、能力を最大限に引き出す手腕に定評があります。

主な表彰

* ベストナイン：1回（外野手部門：2011年）

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