城ヶ島大橋

城ケ島大橋について

城ケ島大橋（じょうがしまおおはし）は、神奈川県三浦市に位置する橋で、三浦半島の先端から海を渡り城ヶ島に通じています。この橋は唯一の陸路であり、かつては有料道路として運営されていましたが、2018年に神奈川県が将来的な無料化を発表し、2020年4月からは無料で通行できるようになりました。また、歩行者や自転車は以前から無料で通行できていました。

橋の歴史と建設

この橋の建設は1957年に始まり、1960年4月には開通を迎えました。全長は575メートル、海面からの高さは16メートルから23.5メートルです。総工費は約7億1500万円にのぼり、同時に設計された陸橋が谷戸を越えて海橋に接続しています。2023年には土木学会から選奨土木遺産として認定されるなど、その歴史的な価値が評価されています。

元々、城ヶ島へ行く手段は三崎仲崎岸壁からの渡し舟だけでした。この地域は天然の良港であり、昭和30年代には水揚げ量が増加する中で、漁業施設の不足が問題となっていました。このため、城ヶ島の埋め立てと、そのための架橋が必要とされて、本橋の建設が計画されたのです。資金の一部はアメリカからの融資で賄い、1979年には借入金の返済も完了しましたが、建設から年月が経つにつれ、老朽化が進み、2020年3月まで料金を徴収せざるを得ませんでした。なお、地元の住民は開通当初から無料で利用していました。

この橋の開通によって、三崎港の海岸は大規模に埋め立てられ、その結果、県水産試験場や漁港施設が建設され、全国屈指の水揚げ量をもつ漁港へと成長しました。一方で、美しい風景を楽しむ観光名所としても知られるようになった一方、かつて多くの著名人に愛された自然の風情は失われつつあります。

橋の構造と技術

城ケ島大橋は、海上部中央主径間に三径間連続鋼床板箱桁を使用し、両岸側にはポストテンション構造の桁を採用しています。設計は川河橋梁製作所により行われ、鋼床板箱桁の技術が初めて日本で使われたことで注目を集めました。この橋の特徴として、中央部には95メートルの長大なスパンがあり、大型の漁船が通ることができます。また、箱桁構造のおかげで、設置が効率的であり、腐食にも強い設計が考慮されています。

このように、城ケ島大橋は地元の漁業関係者や技術者たちにとって重要なランドマークであり、海上架橋技術の発展を象徴するものであると言えるでしょう。横河橋梁製作所にとっても、本橋はその業績の一環として誇りに思えるプロジェクトであり、専門書も刊行されています。

周辺の景観

城ケ島大橋からの眺望は素晴らしく、周囲には高い土地がほとんどないため、太平洋や相模湾、東京湾を見渡すことができます。冬の早朝には、遠くの赤石山脈まで見通すことができ、幻想的な朝の光景が広がります。

このように、城ケ島大橋は美しい景観、歴史的な背景、技術的な価値を兼ね備えた、訪れる価値のある場所です。

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