城内通

神戸市灘区 城内通

神戸市灘区の西部、かつての原田村域に位置する城内通は、東を西郷川、西を阪急神戸線、北を山手幹線に挟まれた、静かな住宅街です。一丁目から五丁目まであり、令和2年（2020年）の国勢調査によると、世帯数は1,465世帯、人口は2,527人で、男性1,181人、女性1,346人が暮らしています。郵便番号は657-0836です。東隣には岸地通、大内通、泉通、南隣には灘北通、そして西隣には原田通と隣接しています。

由来：城のような屋敷と寺院

城内通という地名は、文字通り城があったことを示唆しますが、現在、城の遺構は確認されていません。しかし、地元の説話によると、鎌倉時代に信州から移住した土豪、松本忠公の屋敷が非常に壮大で、城のような風格を備えていたため、その周辺地域を「城の内」と呼ぶようになったと伝えられています。

また、元久年間には、松本家の松本彦三郎盛光が開いた松本寺が存在していました。この寺院の門も城門のような立派な造りだったと伝えられていますが、残念ながら戦災によって消失してしまいました。松本家の墓所も、かつては松本寺にありましたが、現在では垂水区の墓園にある永福寺区画に移されています。

これらの歴史的背景から、城内通という地名は、壮大な屋敷や寺院の存在によって名付けられたと考えられ、現在もその歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気を保っていると言えるでしょう。周囲を河川や幹線道路に囲まれた地理的条件も、この地域の独特の静けさを生み出している要因の一つかもしれません。

参考文献

神戸史学会 編『神戸の町名 改訂版』神戸新聞総合出版センター、2007年。ISBN 978-4-343-00437-6
灘区役所広報相談課 編『灘区の町名』灘区役所広報相談課、1976年

これらの資料は、城内通の歴史や地名の由来を解明する上で貴重な情報源となっています。特に『神戸の町名 改訂版』は、神戸市全体の町名に関する詳細な情報を提供しており、城内通についても正確な位置や歴史的背景を学ぶことができます。『灘区の町名』は、より地域に特化した情報が掲載されており、地元住民の視点からの歴史的記述なども含まれている可能性があります。これらの文献を参考に、城内通の歴史をより深く理解することができます。

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