灘北通

灘北通：神戸市灘区の静かな住宅街

灘北通は、兵庫県神戸市灘区に位置する町名です。一丁目から十丁目までが東西に細長く連なり、穏やかな住宅街が広がっています。2020年10月1日時点の国勢調査によると、世帯数は2051世帯、人口は3927人（男性1859人、女性2068人）です。郵便番号は657-0835です。

灘北通の地理

灘北通は、東灘信号場の北側に位置しています。東側には都賀川を挟んで下河原通、南側には東海道本線を挟んで灘南通と岩屋北町、西側には中央区脇浜町、そして北側には阪急神戸線を挟んで原田通、さらにその先には城内通が隣接しています。西郷川を挟んで泉通も近くにあります。周囲には様々な町並みが広がり、多様な生活圏と繋がる立地となっています。

灘北通の地価

2014年1月1日時点の公示地価によると、灘北通8丁目3番18号の地点では、1平方メートルあたり21万4000円の評価となっています。これは、周辺地域の平均的な地価を反映していると考えられます。近年は、神戸市における土地価格の変動も考慮すると、より詳細な調査が必要でしょう。

灘北通の歴史

灘北通は、複数の旧字名から形成された歴史ある町です。具体的には、灘区南西部の河原字細谷、風呂前、西門、中ノ内、投打、樋ノ口、森字北川、稗田字金田、長谷場、大上郡、原田字辻、城之内、六十、下新田、前田、そして岩屋字茶屋といった地域が統合されて現在の灘北通となりました。これらの旧字名は、それぞれの地域に古くから伝わる歴史や特徴を反映しています。

特に興味深いのは「長谷場」という旧字名です。『神戸の町名』によると、この地はかつて広い田んぼが広がり、稲刈りの後、村人たちが集まって脱穀作業を行っていた場所だったとされています。「ハサ場」という呼称から転じたものと推測されます。この地名の由来は、古くからの農業風景を偲ばせる貴重なものです。

このように、灘北通は地理的な特性と歴史的背景が複雑に絡み合った、奥深い歴史を持つ町と言えるでしょう。現在では静かな住宅街として知られていますが、その歴史を紐解くことで、この地域が持つ豊かな文化や伝統を改めて認識することができるでしょう。今後も、灘北通の変遷や発展を見守り続けることが重要です。

参考文献

神戸史学会 編『神戸の町名 改訂版』神戸新聞総合出版センター、2007年。ISBN 978-4-343-00437-6
灘区役所広報相談課 編『灘区の町名』灘区役所広報相談課、1976年

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