城北ニューメディア

株式会社城北ニューメディア

概要

株式会社城北ニューメディア（じょうほくニューメディア）は、かつて東京都台東区に本社を置き、地域社会にケーブルテレビ放送とインターネット接続サービスを提供していた電気通信事業者です。1985年5月16日に設立され、長らく独立した地域事業者として運営されていましたが、2008年12月1日をもって、国内最大のケーブルテレビ統括事業者である株式会社ジュピターテレコム（J:COM）の傘下に入りました。そして、J:COMグループの一員として事業を継続した後、2010年10月31日には、同じくJ:COMの子会社であった株式会社ジェイコム東京に吸収合併され、法人としての歴史に幕を下ろしました。旧本社機能は、合併後、ジェイコム東京の台東局オフィスとして引き継がれています。

沿革

城北ニューメディアの設立は1985年5月16日に遡ります。東京都台東区を中心とした地域密着型の情報インフラ事業者としてサービスを開始しました。設立から20年以上を経て、2008年12月1日、経営体制に大きな変化が訪れます。この日、ジュピターテレコムが、台東区などの既存株主から発行済み株式の97.9%という大部分を取得し、城北ニューメディアはJ:COMの連結対象子会社となりました。

J:COMグループ入り後、サービス名称も順次変更され、旧名称の「台東ケーブルテレビ（TCT）」は、2009年1月以降「J:COM 台東」として展開されることになりました。この名称変更は、J:COMブランドの下でサービスを展開し、グループ全体での統一感を高める目的がありました。

そして、2010年10月31日、城北ニューメディアはジュピターテレコムの子会社である株式会社ジェイコム東京に吸収合併され、法人格としては消滅しました。この合併は、J:COMグループ内の地域事業会社の再編の一環として実施されたものです。合併後、旧本社があった場所はジェイコム東京の台東局オフィスとして機能し、引き続きJ:COM台東エリアの事業拠点となりました。

サービス内容とエリア

城北ニューメディアがサービスを提供していたのは、東京都台東区全域でした。主要な事業内容は、多チャンネルのケーブルテレビ放送と、ブロードバンドインターネット接続サービスの提供です。

ケーブルテレビサービスにおいては、デジタル放送への対応も進められており、デジタルテレビ放送の配信にはJC-HITSシステムが利用されていました。地上デジタルテレビ放送については、区域外再放送を行っていた一部の放送局を除き、主要な放送局を同一周波数パススルー方式でも提供していた点が特徴です。これにより、市販の地上デジタル対応テレビやチューナーをケーブルに直接接続するだけで、別途セットトップボックスを用意することなく地上波放送を視聴することが可能でした。ただし、TOKYO MXや放送大学テレビについては、提供開始当初など、一時的にパススルー方式のみでの提供となり、トランスモジュレーション方式では視聴できなかった期間も存在しました。

また、地域情報の発信にも力を入れており、「下町You-Iチャンネル」という名称のコミュニティチャンネルを運営していました。このチャンネルでは、地域のニュースやイベント情報、文化などを紹介する自主制作番組「TCT本舗」なども放送され、地域住民にとって身近な情報源となっていました。

インターネットサービスについても、ケーブル回線を利用した接続を提供し、台東区内の家庭や事業所にブロードバンド環境を提供していました。

本社所在地

株式会社城北ニューメディアが本社を置いていたのは、東京都台東区台東4-17-1の偕楽ビル内でした。

関連項目

城北ニューメディアに関連する分野としては、日本のケーブルテレビ事業全般や、それを支える技術（セットトップボックス、ホームターミナル、トランスモジュレーション、パススルーなど）があります。また、業界団体である電気通信事業者協会、社団法人CATV技術協会、日本ケーブルラボ、社団法人日本ケーブルテレビ連盟、デジタルCATV実験協議会などとも関わりがありました。これらの組織や技術は、日本の有線電気通信事業の発展に寄与しています。

法人としては消滅しましたが、その事業はジェイコム東京に引き継がれ、現在もJ:COM台東としてサービスが継続されています。

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