セットトップボックス

セットトップボックス(STB)の概要



セットトップボックス(STB、Set Top Box)は、テレビ放送を受信し、家庭のテレビで視聴可能な信号に変換する機器です。かつてはブラウン管テレビの上に置くことからその名が付けられましたが、現在では様々な機能を搭載した統合サービス端末としての役割も担っています。ケーブル[[テレビ]]業界では、アナログ放送用を「ホームターミナル」、デジタル放送用を「セットトップボックス」と呼ぶ場合が多いですが、明確な区別はありません。

STBの主要機能



STBの本来の機能は、ケーブル[[テレビ]]、デジタル放送IP[[放送]]などの信号を復調・デコードし、スクランブルを解除することです。さらに、ICカードによる視聴制限やコピー制御機能(B-CASカード、C-CASカード、ACASチップなど)も備えています。近年は、ビデオ・オン・デマンド(VOD)などの動画配信サービスの受信や一時保存、電子番組表(EPG)による番組予約、ペアレンタルロックなどの機能も一般的です。一部機種では、ケーブルモデムが内蔵され、インターネット接続も可能です。

STBの付加機能



STBは、基本機能に加え、様々な付加機能を搭載した機種も存在します。カラオケ機能、テレビゲーム機能、ブルーレイ/DVDレコーダー/プレーヤー、HDDレコーダーなどが代表的な例です。録画機能付きSTBでは、裏番組の同時録画が可能なものや、LAN接続による外部レコーダーへのダビング機能を持つものなどがあります。4K・8K放送に対応した機種も登場しており、高画質での視聴・録画が可能です。ただし、4K放送の録画には、レコーダーとの連携が必要な場合もあります。

STBの市場と課題



STBは、一般家庭ではケーブル[[テレビ]]会社などから貸与されることが多く、一般ユーザーが購入する機会は少ないです。そのため、一般家電とは異なり、消費拡大が期待できない一方で、限られた市場で激しい競争が繰り広げられています。このため、機器の更改サイクルが短く、高価な割に機能の陳腐化が早いという課題があります。また、ユーザーからのフィードバックが新製品開発に反映されにくいという問題も抱えています。デジタルSTBでは、視聴状況の把握が可能ですが、プライバシー保護の観点から、この機能の実用化は限定的です。

STBの世代とダビング



STBは、技術革新に伴い、世代ごとに機能や性能が向上してきました。初期のSTBでは、アナログ接続による標準画質での録画が主流でしたが、デジタル化が進み、ハイビジョン画質での録画や、DLNA対応によるLAN接続でのダビングが一般的になりました。しかし、4K・8K放送の録画には、対応機種やレコーダーとの組み合わせが必要になるなど、課題も残されています。

代表的なSTB機種



ここでは、いくつかの代表的なSTB機種について、メーカー、搭載機能、接続端子などを簡単に紹介します。詳細は各メーカーのウェブサイトなどを参照ください。以下に記載する情報は、公開情報に基づいており、全ての機能や仕様を網羅しているわけではありません。機種によっては既に販売終了しているものもあります。

録画機能あり

パイオニア製:BD-V700、BD-V8700R、BD-V8701Rなど
HUMAX製:JC-5000、JC-6500など
パナソニック製:TZ-DCH2000/2800/2810、TZ-DCH3000/3800/3810、TZ-DCH9000/9800/9810、TZ-BDW900M/BDW900F/BDW900P、TZ-HDW600M/HDW600F/HDW600P、TZ-BDT910M/BDT910F/BDT910Pなど

録画機能なし

パイオニア製:BD-V170、BD-V171、BD-V270、BD-V2T、BD-V2TC、BD-V300/V370/V370L、BD-V301/V371/V371L、BD-V371LL、BD-V500など
NECマグナス製:CM4200T/CM4210T、CM4230T、CM4540T、CM4600T/CM4610T、CM4710T/CM4710TCなど
DXアンテナ製:DAC-400、DAC-410など
マスプロ電工製:DST22/22T/22TM、DST52/52T/52M/52TM、DST52H/52HT/52HM/52HTM、DST62/62Tなど
八木アンテナ製:DSTB10など
フジクラテレコム製:FMT-3000C/3500Cなど
HUMAX製:JC-3000、JC-3100、JC-3500、JC-4000、JC-4100など
シンクレイヤ製:SSTB-3000など
シャープ製:TU-DC1、TU-DC100など
パナソニック製:TZ-DCH100/250/300、TZ-DCH500/505/800/1000/1800、TZ-DCH520/521/820/821/1520/1820、TZ-LS200P/LS300F/LS300Pなど
サイエンティフィック・アトランタ製:エクスプローラ8200HDJ/8200SDJなど

アナログ放送

パイオニア製:BA-V215/V230、BA-V510、BA-V520/V520G/V520AV/V525など
日立製作所製:BK-1030/1050など
DXアンテナ製:DAC-350など
富士通製:FC3551A2/B2、FC3553A2/FC3553B/FC3553Cなど
サイエンティフィック・アトランタ製:Model 8601/8611など
NECマグナス製:NVT-1400S/1600/2400など
東芝製:TCJ-552、TCJ-653、TCJ-658、TCJ-801、TJC-901など
パナソニック製:TZ-JC320、TZ-JC340/341A1/355/360など
* シャープ製:TU-DC10など

ブロードバンドサービス用STB



VODやIP[[放送]]サービス向けには、Apple TV、Amazon Fire TV、Chromecastなど、様々なSTBが提供されています。

注記: 上記の情報は、公開情報に基づいており、必ずしも最新の情報や全ての機種を網羅しているわけではありません。詳細な仕様や機能については、各メーカーのウェブサイトなどを参照してください。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。