城川町

城川町の概要

城川町（しろかわちょう）は、かつて愛媛県南部にあった町で、2004年4月1日に他の町と合併し、その自治体としての歴史は幕を閉じました。しかし、名称としては現在も「西予市城川町」として残っています。町の自称「奥伊予」は、独自の地域振興活動を示しており、1983年から「わがむらは美しく」というスローガンのもと、地域の魅力を引き出し、伝統文化を守り続けています。

地理

城川町は、愛媛県の南部にある山間部に位置し、高知県に接しています。国道197号が肱川の支流、黒瀬川に沿って南北に通り、町と外部を結ぶ重要な幹線道路となっています。町の集落は急傾斜地に広がっており、棚田や畑として利用されている場所もあります。

川には黒瀬川、野井川、魚成川、三滝川などが流れており、この自然の恩恵が町の生活に深く根ざしています。

町名の由来

城川町の名前は、公募によって決まりました。1959年に町制施行が行われた際、250件の応募があり、最終的に「城川」という名称が選ばれました。これは旧村の名前の一部を結びつけたもので、数々の「城」跡が残る地域の歴史から生まれたものです。

集落と過疎化

城川町には、田穂、魚成、下相、嘉喜尾、男河内、遊子谷など多くの集落が存在します。しかし、過疎化と高齢化が進み、特に高齢者の割合が増加しています。集落間の距離は広く、地域活動は高齢者に支えられています。

歴史

城川町周辺の歴史は古代まで遡ることができます。1182年には平貞盛の子孫が魚成に居を構え、その後も中世には西園寺氏が支配していました。明治時代には村制が施行され、多くの村が合併して黒瀬川村が誕生。1959年の町制施行によって城川町が成立しました。1983年以降には「わがむらは美しく」をテーマにした地域振興活動が始まり、2004年の合併まで地域独自の運営が続きました。

文化と伝統行事

城川町には、深い農山村文化が息づいています。美しい水田は先人たちの努力の結晶であり、手入れも行き届いています。地域の伝統行事としては、どろんこ祭りがあり、これは田植えの喜びを神に感謝する祭りです。この祭りは「奥伊予の奇祭」として知られ、地域の活気を象徴しています。また、実盛送りという行事も行われ、地域の人々による伝承活動が続いています。

産業振興と観光

城川町は、農村振興に力を入れており、特産品の生産や販売を行っています。特産品にはハム・ソーセージ、柚子ワイン、栗まんじゅうなどがあります。観光面では「奥伊予」という魅力的なブランドが打ち出されており、都市と農村の交流を促進しています。観光名所には竜沢寺や城川自然牧場、ギャラリーしろかわなどがあり、訪れる人々に自然と文化の恵みを提供しています。

今後の展望

2004年の合併以来、自治体としての城川町は消滅しましたが、その地域名と文化は今も大切にされています。高齢化や過疎化といった課題も抱えつつ、新たな観光客の誘致や地域振興を図る取り組みが求められています。その結果、城川町は美しい自然と伝統文化を保ちながら、地域としての魅力を発信し続けることが期待されています。

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