国道197号

国道197号：四国と九州を繋ぐ歴史と自然の道

国道197号は、高知県高知市から大分県大分市までを結ぶ一般[[国道]]です。四国と九州を結ぶルートにおいて、海上区間を含む特異な路線として知られています。

起点から終点まで：変化に富むルート

起点の高知市（県庁前交差点）から西へ進み、四国山地を迂回するように愛媛県佐田岬半島まで続きます。この区間は、特に佐田岬半島では「佐田岬メロディーライン」と呼ばれ、尾根沿いを走る快走路として知られています。関サバ・関アジで有名な豊予海峡を渡る海上区間（国道九四フェリー航路）を経て、大分県佐賀関半島から終点の大分市（大道入口交差点）へと至ります。

高知県と愛媛県の一部区間では、国道56号と重複しています。大分県内区間は古くから幹線道路として機能しており、「愛媛街道」と呼ばれています。

歴史の足跡：脱藩路としての国道197号

高知県津野山地域は、幕末期、土佐から伊予を経て長州へと抜けるルートとして重要な役割を果たしました。坂本龍馬や吉村寅太郎ら土佐勤王党の志士たちが脱藩に利用した道と伝えられており、「脱藩道」や「維新の道」とも呼ばれています。この歴史的価値から、高知県高岡郡津野町～檮原町間の30.8km区間は、「日本の道100選」にも選定されています。(1986年)

険しい地形と改良の歴史

四国山地を越える険しいルート、特に高知県高岡郡津野町の布施ヶ坂や愛媛県佐田岬半島は、かつては悪路・狭隘路として知られており、「イクナ（行くな）国道」と呼ばれることもありました。佐田岬半島では、かつて海岸線沿いを走っていた旧道から、尾根を貫くルートへと大幅な変更が行われました。

1970年代以降、建設省（現国土交通省）を中心に、佐田岬メロディーライン、日吉・高研地区、大洲西地区、鹿野川地区などの大規模な道路改良事業が実施されました。これにより、2021年12月25日現在では、大洲市内の一部と名坂トンネルとその前後区間を除き、2車線道路となっています。最後の難所とされていた布施ヶ坂の改良も1991年度に完了しています。

主要な改良事業とバイパス

国道197号では、数々のバイパス整備や道路改良事業が進められてきました。

愛媛県：地域高規格道路である大洲・八幡浜自動車道の整備（一部区間は2013年3月17日開通）、佐田岬メロディーラインの改良など
高知県：野越バイパスの整備など
* 大分県：古宮～小志生木バイパス（佐賀関バイパス）の整備、大分東バイパス、大分南バイパスの整備など

特に、野越トンネルの狭隘化解消のため、高知県は2010年度から野越バイパスの整備に着手しています。また、地質の脆弱さから地すべりなどの危険性が高い佐田岬半島では、名取トンネルの漏水対策などが行われました。

海上区間と交通の現状

愛媛県三崎港と大分県佐賀関港を結ぶ海上区間は、国道九四フェリーが運行しており、四国と九州間の重要な交通手段となっています。大分県側の佐賀関地区では、狭隘区間や急カーブの改良が続けられています。大分市中心部では、昭和通りの再整備（リボーン197）計画も進められています。

まとめ

国道197号は、険しい地形と歴史的背景を併せ持つ、変化に富んだ道路です。数々の改良事業によって安全で快適な道路へと整備されてきましたが、現在も更なる改良が続けられています。四国と九州を繋ぐ重要な交通路として、そして歴史の道として、国道197号は今後もその役割を果たしていくでしょう。

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