城立寺 (江戸川区)

城立寺（じょうりゅうじ）

城立寺は、東京都江戸川区春江町に位置する日蓮宗の寺院です。本高山と号し、椿寺という別名でも知られています。旧本山は松戸市平賀の本土寺で、奠師法縁（奠統会）に属しています。この寺院は、伝教大師最澄が作ったとされる鬼子母神像を祀っていることで有名です。

歴史

城立寺は、元和2年（1616年）に善立院日念（寛文7年没）によって開山されました。開基は一之江新田を開拓した田嶋図書（正善院日慶、寛永20年没）です。この寺は、江戸時代初期から地域の人々の信仰を集めてきました。

文化財

境内には、歴史的価値の高い文化財が数多く残されています。

田島図書の墓：江戸川区登録史跡に指定されています。この墓は、城立寺の開基である田嶋図書の功績を今に伝える貴重なものです。
石造釈迦如来坐像：寛永3年（1663年）に田島八郎兵衛尉重信が、祖先の菩提を弔い、広く人々の利益を願って寄進したものです。江戸川区登録有形文化財（彫刻）に指定されています。像は、当時の信仰の様子を伝えるだけでなく、美術工芸品としても価値が高いとされています。
四脚門：元文元年（1736年）に建てられたもので、簡素ながらも江戸時代初期の様式を今に伝えています。この門は、寺院の歴史を感じさせる重要な建造物です。
鐘楼：かつては元禄7年（1694年）に藤原正次が鋳造した梵鐘がありましたが、太平洋戦争中の金属供出によって失われました。この梵鐘は、田島伝左衛門が寄進したもので、当時の人々の信仰心と技術の高さを物語るものでした。

参考文献

日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年)
江戸川区文化財・史跡「城立寺（じょうりゅうじ）」（2019年1月31日）
江戸川区史 第三巻「民俗・文化・自然編 第二章 神社と寺院 第二節 寺院 三 各神社の由緒沿革 二四 城立寺」（1976年3月）
『新編武蔵風土記稿』 巻ノ28葛飾郡ノ9「一之江新田 城立寺」内務省地理局、1884年6月。

外部リンク

日蓮宗ポータルサイト「本高山 城立寺」
城立寺公式ページ

城立寺は、その長い歴史の中で、地域の信仰の中心として重要な役割を果たしてきました。現在も、多くの人々が参拝に訪れ、静かで厳かな雰囲気を味わうことができます。

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