基幹放送局の開設の根本的基準

基幹放送局の開設の根本的基準について

「基幹放送局の開設の根本的基準」（昭和25年電波監理委員会規則第21号）は、電波法に基づき、基幹放送局を開設する際に必要となる基本的な基準を定めた規則です。この基準は、地上波放送、衛星放送など、様々な種類の放送局の開設に適用され、電波の公平かつ効率的な利用を確保することを目的としています。

目的と構成

この基準の主な目的は、基幹放送局の免許申請を審査する際の基準を提供することです。具体的には、放送局の設置場所、放送の種類、他の電波利用との干渉防止、放送の普及など、幅広い項目について詳細な規定を設けています。基準は、以下の条文で構成されています。

第1条：目的
第2条：用語の意義
第3条：国内放送を行う基幹放送局
第3条の2：衛星基幹放送又は移動受信用地上基幹放送を行う基幹放送局
第4条：国際放送を行う基幹放送局
第4条の2：中継国際放送を行う基幹放送局
第4条の3：協会国際衛星放送等を行う基幹放送局
第5条：基幹放送局の設置場所等
第6条
第7条
第8条：既設局等への妨害排除
第9条：基幹放送の普及
第10条：優先順位

これらの条文は、放送事業者が免許を取得し、放送を開始する上で遵守すべき重要な要件を定めています。

概要

本基準は、基幹放送局の免許申請があった際に、電波法第7条に基づいて審査を行う際の基準となります。第2条第1号では、「基幹放送局の開設の免許に関する基本的方針」を定めるものとしています。この基準は、放送局の開設だけでなく、既存の放送局が電波を適正に利用しているかを確認する上でも重要な役割を果たします。

過去の改正では、中継国際放送、受託国内放送、衛星放送、受託協会国際放送、移動受信用地上基幹放送など、新しい放送形態に対応するための条文が追加されてきました。特に、平成23年の放送法改正は、放送局の名称を「基幹放送局」に改めるなど、大きな変更を伴いました。これにより、放送事業者は、より明確な法的枠組みの中で事業を展開することが可能になりました。

沿革

この基準は、昭和25年に「放送局の開設の根本的基準」として制定されて以来、時代の変化に合わせて数々の改正が行われてきました。以下に主な改正の変遷をまとめます。

1950年（昭和25年）：制定当初は、国内放送と国際放送を行う放送局に関する規定が中心でした。
1952年（昭和27年）：優先順位に関する規定が一部改正されました。
1959年（昭和34年）：既設局への妨害排除や放送の普及に関する規定が追加されました。
1987年（昭和62年）：中継国際放送を行う放送局に関する規定が追加されました。
1988年（昭和63年）：マスメディア集中排除原則が盛り込まれました。
1989年（平成元年）：受託国内放送を行う放送局に関する規定が追加されました。
1994年（平成6年）：受託協会国際放送を行う放送局に関する規定が追加されました。
2008年（平成20年）：放送の普及と優先順位に関する規定が改正されました。
2011年（平成23年）：名称が「基幹放送局の開設の根本的基準」に変更され、放送局の種類や名称が大幅に見直されました。マスメディア集中排除原則は削除され、放送法に基づく表現の自由享有基準に関する省令として独立しました。

これらの改正を通じて、基準は常に最新の技術と社会情勢を反映したものへと更新され、放送事業の健全な発展を支えてきました。

まとめ

「基幹放送局の開設の根本的基準」は、放送事業者が電波を公平かつ効率的に利用するための重要なルールブックです。放送技術の進歩や社会の変化に対応しながら、この基準は今後も放送事業の健全な発展に貢献していくでしょう。

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