埼玉県立小児医療センター

埼玉県立小児医療センターの紹介

埼玉県立小児医療センターは、埼玉県さいたま市中央区新都心に位置する児童専門の医療施設です。かつては岩槻区に所在していましたが、2016年12月に新しい施設が開院しました。このセンターは、埼玉県内に4カ所存在する疾患別医療センターの一つであり、地方独立行政法人による運営に移行したのは2021年4月のことです。センターの特徴の一つに、新生児集中治療室（NICU）が30床設置されている点が挙げられます。

移転と施設の進化

このセンターは、建物の老朽化と耐震性の問題から移転することが決定され、2013年に新たな建物の建設が開始されました。移設先の新都心エリアには、災害時に避難所や医療拠点として機能するさいたまスーパーアリーナなどがあり、医療セクターとの連携が期待されています。さらに、救急医療機関であるさいたま赤十字病院と隣接しており、総合周産期母子医療センターとしても機能しています。新しい施設では、新生児治療回復室（GCU）や小児集中治療室（PICU）が新たに設置され、充実した医療体制が整っています。特に注目すべきは、国内初となる「ドナルド・マクドナルド・ハウス さいたま」が併設されている点で、家族と患者の精神的な支援を兼ね備えた環境が提供されています。

その他の施設と取り組み

センター内には、様々な教育機関や支援施設が存在します。移転前にあった県立特別支援学校の機能が継続され、埼玉県立けやき特別支援学校という新しい形に生まれ変わりました。さらに、発達障害に特化した支援センターや、地域医療の研修を行うセンターも併設されています。災害時には、被災者支援機能も果たし、地域医療の要としての役割を強化しています。

移転に際しては、家族から反対意見も多くありましたが、県はその意見に応じて、一部機能を旧センター跡地に残すことにしました。これにより「埼玉県立小児医療センター附属岩槻診療所」として運営されましたが、最終的には新しい医療型障害児入所施設「カリヨンの杜」が開設されることに伴い、閉院する運びとなりました。

沿革と医療体制

埼玉県立小児医療センターは1967年に設立された小児保健センターが起源であり、この設立は全国的にも早期の取り組みと言えます。以降、1983年には小児医療センターとして新たに岩槻市に開設し、医療の質を向上させるために段階的に機能を拡充しています。1983年から2016年までの間、小児医療センターは多くの改革を経て、地域社会に必要不可欠な組織として確固たる地位を築いてきました。

現在、センターでは総合診療科を含め、各種の専門診療科が揃い、患者一人ひとりのニーズに応える医療を提供しています。この分野の医療機関として、その役割と責任を果たし続け、市民に信頼される医療サービスの提供を目指して日々努力しています。

アクセスと地域医療の展望

埼玉県立小児医療センターへのアクセスは非常に便利で、さいたま新都心駅から徒歩5分、北与野駅からも徒歩6分の距離にあります。今後も地域のニーズに応じた医療を提供し続けることで、さらなる発展を遂げていくことが期待されています。

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