埼玉都民

埼玉都民とは

埼玉都民とは、埼玉県に居住しながら東京都区部へ通勤・通学する人を指す俗語です。埼玉県は、多くの住民が都心へ流出する傾向にあり、特に県南部はその傾向が顕著です。

定義

埼玉都民とは、埼玉県民の中でも、特に東京特別区へ通勤・通学する人々を指します。2015年の国勢調査によると、埼玉県の昼夜間人口比率は日本で最も低い水準であり、多くが東京都へ流出しています。県南部、具体的にはさいたま市、川口市、蕨市、所沢市、新座市、朝霞市、和光市、戸田市、草加市、八潮市、三郷市、吉川市などでその傾向が顕著です。

また、JR宇都宮線・高崎線・上野東京ライン・湘南新宿ライン・埼京線・京浜東北線や、東武伊勢崎線（東武スカイツリーライン）・日光線・東上線などの鉄道路線が整備されたことで、県北東部からも都心へのアクセスが容易になりました。例えば、旧北葛飾郡栗橋町では、県庁所在地のさいたま市よりも東京特別区への通勤・通学者の割合が高いです。さらに、東武東上線や西武池袋線沿線地域では、さいたま市よりも池袋へのアクセスが便利な状況にあります。

上越新幹線の開業以降は、県北西部の中心都市である熊谷市からも都心へ通勤・通学する人が少なくありません。

背景

埼玉県は東京都に隣接しており、都心へのアクセスが良い一方で、地価や家賃が比較的安価であるという利点があります。2014年から2021年まで、埼玉県は東京都への転入超過数が1位となっています。歴史的には、現在の埼玉県は、東京都や神奈川県の川崎市・横浜市と共に武蔵国を形成していました。

埼玉県内の鉄道路線は、東京方面へ直通する路線網が発達しており、県内移動よりも東京へのアクセスが重視されています。高度経済成長期以降、このような鉄道網の整備を背景に、埼玉県南東部を中心に宅地化が急速に進み、都心へ通勤・通学するライフスタイルを持つ住民が増加しました。これらの住民は地方からの流入が多く、埼玉県に対する郷土意識が低い傾向があり、政治的にも無党派層が多いと言われています。

特に、池袋駅は埼京線・湘南新宿ライン・西武池袋線・東武東上線など、埼玉県方面からの路線が集まるターミナル駅であり、周辺は巨大な繁華街であるため、埼玉都民の通勤・通学・買い物客が非常に多いです。

埼玉県領事館

埼玉県は、平日の昼間に都心へ出ている県民の利便性を図るため、1996年に埼玉県情報センター新宿（通称：埼玉県領事館）を新宿エルタワーに開設しました。ここでは、旅券の発給や住民票の写し、戸籍謄本・抄本の交付請求を受け付けていましたが、2005年に廃止されました。

関連項目

ドーナツ化現象
ベッドタウン
衛星都市
神奈川都民
千葉都民
茨城都民
東京都市圏
地域主義
野原ひろし
翔んで埼玉

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