堀内謙介

堀内 謙介

堀内謙介（ほりのうち けんすけ、1886年3月30日 - 1979年11月1日）は、日本の外交官として明治から昭和にかけて活躍し、特に外務次官や駐米大使、さらに戦後は駐中華民国大使を歴任した重要な人物です。彼の外交キャリアの背景や業績について詳しく見ていきましょう。

経歴

堀内は兵庫県多紀郡篠山町で生まれ、旧篠山藩士堀内令順の次男として育ちました。教育は、私立尋常中学鳳鳴義塾、旧制山口高等学校、第一高等学校を経て、東京帝国大学法科大学政治学科を1910年に卒業します。在学中には文官高等試験や外交官試験に合格し、1911年には外交官補として清国に赴任しました。

その後、堀内は英国での勤務を経て、青島やアメリカへと赴任しました。1928年にはパリ不戦条約会議において全権委員内田康哉の随行を務めています。1930年からはニューヨーク総領事を務め、その後外務省の調査部長やアメリカ局長として活躍し、1936年には外務次官に就任しました。

そして1938年には駐米特命全権大使に就任し、1940年の退官まで重要な外交業務を担いました。太平洋戦争の終戦後は内務省顧問として、また外交官研修所の講師としても指導的な役割を果たしました。その後は1955年から1959年まで駐中華民国（台湾）大使として外交の指揮を取ります。

栄典

堀内はその外交活動を通じて多くの栄典を授与されています。1921年から1940年にかけて、正六位から従三位までの位階が与えられ、また、1916年には勲六等瑞宝章、1920年には勲五等双光旭日章など、さまざまな勲章を受賞しました。最も名誉ある勲章の一つとして、1944年には勲一等旭日大綬章を授与されています。さらに、外国からもドイツ鷲大十字勲章やイタリア王国王冠勲章グランクロアなどを受けており、国際的にも評価されていました。

家族と著作

堀内の家族にも著名な人物が含まれており、養兄の堀内三郎は海軍中将、弟の堀内延一は庭師、甥の堀内雄之は俳人として名を馳せています。彼はまた、執筆活動も行っており、1944年に『米英の世界侵略』、1979年には『堀内謙介回顧録 - 日本外交50年の裏面史』を出版し、彼の長い外交キャリアやその裏側にあたる歴史を振り返っています。

堀内謙介は、その外交活動を通じて日本の国際的な地位を築くために尽力し、その功績は今日に至るまで高く評価されています。

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