堀場信吉

堀場信吉（1886年1月29日 - 1968年2月16日）は、日本の物理化学者、教育者として知られています。彼は京都府で生まれ、後に堀場製作所を創業した堀場雅夫の父でもあります。

1910年に京都帝国大学の純正化学科を卒業後、1911年には住友電線製造所に入社しました。その後、研究者、教育者としての道を歩み始め、1913年には京都帝国大学の助教授に就任しました。

1918年から1923年にかけて、堀場はイギリス、オランダ、ドイツなどへ留学し、海外の研究に触れました。帰国後の1924年には、京都帝国大学の教授に就任し、「Bestimmung des Dampfdruckes von metallischen Arsen（金属砒素の蒸気圧測定）」の研究で理学博士の学位を授与されました。

堀場の研究は多岐にわたりましたが、特に触媒に関する研究は高く評価されています。1937年には、その業績が認められ帝国学士院恩賜賞を受賞しました。1942年から1945年までは京都大学化学研究所の所長を務め、東京工業大学教授も兼任しました。

1947年に京都大学を退官し、京都大学名誉教授となりました。その後、同志社大学工学部長に就任し、後進の育成に尽力しました。1949年には日本学士院会員となっています。

教育者としても手腕を発揮し、1952年には浪速大学、工業短期大学部、農業短期大学部、京都市立音楽短期大学の各学長に就任しました。

長年の功績が認められ、1966年には文化功労者として顕彰されました。

著書としては『触媒の理論』があり、この分野の研究に大きく貢献しました。

堀場信吉は、日本の物理化学の発展に大きく寄与しただけでなく、教育者としても多くの人材を育成し、日本の科学技術の進歩に貢献した人物として、その名が深く刻まれています。

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