堀岡駅

堀岡駅

堀岡駅（ほりおかえき）は、かつて富山県新湊市堀岡（現在の射水市堀岡）に存在した、富山地方鉄道射水線の鉄道駅です。射水線そのものの廃止に伴い、1980年（昭和55年）4月1日に営業を終了しました。地域の交通網の一翼を担ったこの駅は、その歴史の中で様々な変遷を経てきました。

歴史

堀岡駅の歴史は、まだ富山地方鉄道ではなく越中鉄道によって運営されていた時代に遡ります。1929年（昭和4年）7月2日、越中鉄道が打出浜駅（後の打出駅（2代目））から堀岡駅までの区間を開業させた際に、当駅も同時に営業を開始しました。開業当初は路線の終着駅でした。翌年の1930年（昭和5年）12月23日には、さらに東新湊駅まで路線が延伸され、堀岡駅は中間駅となりました。

太平洋戦争中の交通統合政策により、1943年（昭和18年）1月1日には越中鉄道を含むいくつかの事業者が統合され、富山地方鉄道が発足。堀岡駅も富山地方鉄道射水線の駅として運営が引き継がれることになりました。

戦後、射水線は路線の分断という大きな転換期を迎えます。1966年（昭和41年）4月5日、当駅から越ノ潟駅までの区間が線路分断により廃止されたため、堀岡駅は再び射水線の終着駅となります。しかし、同年12月1日には廃止区間の一部が復活し、当駅と新港東口駅を結ぶ新たな区間が開通。堀岡駅は再び中間駅としての役割を担うことになりました。

正確な時期は不明ですが、この頃に駅の運営形態が変更され、直営から業務委託駅となりました。駅員の配置は朝の時間帯のみで、それ以外の時間は無人営業となっていたようです。

そして、1980年（昭和55年）4月1日、射水線の全線廃止に伴い、堀岡駅もその長い歴史に幕を下ろしました。

駅構造

堀岡駅は地上駅であり、廃止時点では島式ホームを1面備え、その片面のみが線路一本に接する単線構造でした。ホームは新港東口駅方面に向かって線路の右手、つまり北側に配置されていました。

かつては、島式ホームの両側が線路に接し、列車交換が可能な1面2線の構造を持つ駅でした。しかし、列車の交換機能が廃止された後は、駅舎側の線路一本が撤去され、廃止時の単線構造となりました。

駅舎は構内の北西側に位置しており、ホームへは通路を通じて連絡していました。ホームには待合所の代わりとなる上屋が設けられていたと記録されています。

前述の通り、運営は業務委託形態で、朝の時間帯のみ駅員が配置される有人駅でしたが、日中以降は無人駅として営業していました。

駅周辺

堀岡駅の周辺地域には、生活関連施設や公共施設が点在していました。主なものとしては、地域住民に利用されていた堀岡郵便局や、現在も射水市立堀岡小学校として続く新湊市立堀岡小学校などがあります。

駅の近くには、現在の富山地方鉄道や射水市コミュニティバスの「新港東口」停留所があり、地域の公共交通が代替的な役割を担っています。また、駅前を通る主要な道路として、富山県道232号堀岡小杉線が整備されています。その他、日本通運の施設も近隣に位置していました。

駅跡

堀岡駅を含む富山地方鉄道射水線の廃線跡は、現在その姿を変えています。特に四方駅跡の南側から終点だった新港東口駅の近くまでの区間は、線路が撤去された後にサイクリングロードとして整備されています。1997年、2006年、そして2010年の時点でも、この区間がサイクリングロードとして利用されている様子が確認されています。

堀岡駅の駅跡地も、時代の変化とともにその利用形態を変えてきました。2006年の時点では、かつて駅舎が建っていた場所が地域の消防団の詰所として使われていました。その後、2010年の時点では、旧駅前広場だった一帯が整備され、地域住民が憩う公園へと生まれ変わっています。線路跡のサイクリングロードとともに、かつて駅があったことを偲ばせる場所となっています。

隣接駅

富山地方鉄道射水線における堀岡駅の隣の駅は以下の通りです。

射北中学校前駅 - 堀岡駅 - 新港東口駅

（廃止時点での隣接駅）

もう一度検索