堀川駅 (愛知県)

堀川駅（ほりかわえき）とは

堀川駅は、かつて愛知県名古屋市中区に位置していた名古屋鉄道瀬戸線の起点駅でした。名古屋城外堀の南西隅、景雲橋小園の北側に位置し、水運と鉄道輸送の結節点として重要な役割を果たしました。現在は廃駅となり、その痕跡はわずかに残るのみです。

歴史

瀬戸線は、もともと瀬戸の陶磁器などの貨物輸送を目的として建設されたため、堀川の水運を活用できるこの場所がターミナル駅として選ばれました。瀬戸方面からの出荷や名古屋市街への荷揚げに便利な立地でした。

1911年（明治44年）には御園橋東側までが開通しましたが、残りの区間約120mは御園御門の工事や用地買収に手間取り、1915年（大正4年）1月18日にようやく全線開通となりました。この間、御園橋東に設置された御園駅が仮のターミナル駅として機能していました。

しかし、太平洋戦争後、水運の衰退とともに駅は寂れていきました。また、市電との競合もあり、旅客輸送も伸び悩みました。末期には、特急などが大津町駅で折り返すようになり、電車の運行は40分間隔と大幅に減少しました。

1976年（昭和51年）、瀬戸線を栄町駅まで乗り入れさせる計画に伴い、堀川～東大手間が廃線となり、堀川駅もその歴史に幕を閉じました。

年表

1911年（明治44年）9月：土居下駅・御園御門竣工。御園駅が開業。
1913年（大正2年）11月1日：複線化。
1915年（大正4年）1月18日：御園御門～堀川間が開通、堀川駅が開業。
1921年（大正10年）以前：御園駅が廃止。
1973年（昭和48年）9月6日：無人化。
1976年（昭和51年）2月15日：栄町乗り入れ工事着工に伴い廃止。

駅構造

駅は相対式ホーム2面2線で構成されていました。南側ホームには木造の駅舎が併設されていましたが、末期には北側ホームは使用されなくなり、線路も撤去され、1面1線となっていました。

現在の状況

2023年現在、駅の鉄道施設はほとんど撤去されており、わずかに貨物扱い用のホームの基礎部分らしきものが残るのみです。かつて駅が存在したことを示すものは、2018年に名古屋市が設置した案内看板のみです。

廃駅跡から南へ約400mの場所には、名古屋市営地下鉄丸の内駅があります。また、廃駅跡の南側には長久山圓頓寺があり、門前の通り（円頓寺通）は古くから商店街として賑わっていましたが、駅の廃止後は一時的に寂れていました。

隣の駅

名古屋鉄道（名鉄）

瀬戸線

堀川駅 - 本町駅

まとめ

堀川駅は、瀬戸線の歴史と深い関わりを持ち、水運と鉄道輸送の連携を担った重要な駅でした。しかし、時代の変化と共にその役割を終え、現在はその痕跡をわずかに残すのみとなっています。この場所を訪れることで、かつての名古屋の繁栄と変遷を感じることができるでしょう。

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