堀江有里

堀江 有里（ほりえ ゆり）

堀江有里は、日本の社会学者および神学者であり、日本基督教団の牧師としても活動しています。1968年8月19日に京都府の京都市東山区で生まれ、逗子市池子で育った彼女は、横浜共立学園中学校・高等学校を卒業後、同志社大学の神学部に進学し、1991年に卒業しました。1994年には同大学の大学院で修士号を取得し、さらに2007年には大阪大学大学院人間科学研究科で博士号を取得しています。

彼女の専門分野は社会学とクィア・スタディーズに広がっており、自身がレズビアンであることから、特にレズビアンの可視性を高めるための活動に力を注いでいます。堀江は、フェミニスト神学との連携を模索し、教会の中での女性の立場についても考察しています。本来、神の教えというものはあらゆる人々に開かれているべきであるとし、特に少数派としての声を反映させるための理論と実践を結びつけることを目指しています。

堀江は、多くの著書を執筆しており、その中でも『「レズビアン」という生き方――キリスト教の異性愛主義を問う』（2006年、新教出版社）や、『レズビアン・アイデンティティーズ』（2015年、洛北出版）は、彼女の主要な研究成果として評価されています。また、2022年には共著で『クィア・スタディーズをひらく2』を出版しています。この書籍では、クィア・スタディーズに関する多角的な視点を紹介し、レズビアンを含む多様なアイデンティティについてを議論する場を提供しています。

彼女の論文も多岐にわたります。代表的な論文に「フェミニスト神学との共闘可能性（レズビアンの不可視性）を克服するために」（2006年『福音と世界』）や、「プロテスタント教会と〈“ポスト”フェミニズム〉の可能性――日本基督教団における〈女たち〉の取り組みから」があります。これらの論文では、特に女性と非異性愛者の位置づけがいかに神学において重要であるかを論じています。

社会におけるクィア・アイデンティティの理解を促進することが、堀江の研究の中心的なテーマとなっています。彼女の探求は、単なる学問的な議論に留まらず、実際のコミュニティや教会においてもその影響力を発揮しています。堀江有里の活動は、日本の神学界に新たな視点をもたらし、特にレズビアンやクィアなアイデンティティを持つ人々にとっての光明となるでしょう。

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