横浜共立学園中学校・高等学校

横浜共立学園中[[学校]]・高等学校

横浜共立学園中[[学校]]・高等学校は、神奈川県横浜市中区山手町に位置する私立の女子中[[学校]]・高等学校です。完全中高一貫教育を実施しており、高等学校からの生徒募集は行っていません。創立は明治期に遡り、日本人によって設立された女子校としては最も古い学校の一つです。横浜山手の丘に位置し、周辺は横浜市の景観風致保全地区に指定されています。その歴史、立地、実績から、神奈川女子御三家の一つとして広く知られています。

英語名は「Doremus School」といい、これは米国婦人一致外国伝道協会(WUMS)の初代会長の名前に由来します。

概要

1871年（明治4年）、米国婦人一致外国伝道協会(WUMS)のメアリー・P・プラインらが、宣教師ジェームズ・H・バラの要請に応え設立しました。当時の横浜は、西洋人と日本人の間に生まれた混血児が多く、また、富国強兵政策の中で女子教育の必要性が認識され始めた時期でした。バラの私邸である山手の48番館を借り、「アメリカン・ミッション・ホーム」として開校。当初は混血児も女子学生も集まらず、イギリス人の幼い姉妹の養育から始まったと伝えられています。

その後、中村正直（当時・静岡学問所教授）によって日本初の「生徒募集・入学案内」が作成され、英語やキリスト教に関心を持つ多くの人々が入学しました。卒業生たちは、教育、伝道、実業など、さまざまな分野で活躍しました。

1872年（明治5年）には、山手212番の広大な土地に移転し、日本初の女子寄宿学校が設立されました。同年12月には「日本婦女英学校」と改称しましたが、「ミッション・ホーム」や「ドリーマス・スクール」とも呼ばれていました。1875年（明治8年）には、プラインが健康上の理由で帰国。この頃、「Union」を「共立」と訳し、「共立女学校」と改称しました。

1923年（大正12年）の関東大震災では、共立女子神学校の校舎を残し、ほとんどの校舎が倒壊または焼失しました。1931年（昭和6年）には、学園創立60周年を記念して、W・ヴォーリズの設計による木造校舎が完成しました。この校舎は現在も本校舎として使用されており、1988年には横浜市指定有形文化財第一号に指定されました。

1999年（平成11年）には、私立学校として初めて学校教育法上の「中高一貫教育校（併設型）」として認定され、学習指導要領の弾力的な運用が認められるようになりました。

沿革

1861年：ジェームズ・H・バラが来日。
1869年：バラが帰国し、プロテスタント関係者に支援を要請。メアリー・P・プライン、ジュリア・クロスビー、ルイーズ・ピアソンの3人の女性宣教師を教育者として招致。
1871年8月28日：バラの私邸を借り、「アメリカン・ミッション・ホーム」を正式に開設。
1872年10月：山手212番の土地に移転し、日本初の女子寄宿学校を設立。
1872年12月：「日本婦女英学校」と改称。しかし、「ミッション・ホーム」や「ドリーマス・スクール」とも呼ばれる。
1875年：プラインが健康を害し帰国。この頃、「共立女学校」と改称。
1881年：「偕成伝道女学校」設立（後の共立女子聖書学院）。
1923年：関東大震災により、校舎が倒壊・焼失。
1931年：W・ヴォーリズ設計による木造校舎が竣工。横浜市指定有形文化財第一号。
1932年：財団法人「横浜共立学園」設立。
1936年：クララ・ルーミスから笹尾粂太郎に校長が交代。
1937年：米国婦人一致外国伝道協会(WUMS)から経済的に独立。
1948年：現在の校名となる。
1999年：制度上、私立初の「中高一貫教育校（併設型）」として認定。

校風

プロテスタントの教えを基盤とするものの、比較的校則が多いことで知られています。鞄やコートは学校指定で、服装規定や不定期の服装検査があります。携帯電話は緊急連絡用としての持ち込みは許可されていますが、通常時の使用は禁止されています。部活動では、特にステージ系の活動が盛んで、キリスト教教育も熱心に行われています。

校舎

1931年に建築された本校舎は、W.M.ヴォーリズの設計によるもので、横浜市指定文化財となっています。

著名な出身者

櫻井ちか（教育者、女子学院中[[学校]]・高等学校創立者）
坂本真琴（婦人運動家）
高田敏子（教育者）
渡辺カネ（北海道開拓者、英語教育者）
大村はま（国語教育者）※転出
小林節子（フリーアナウンサー、元フジテレビアナウンサー）
若林亜紀（フリーランスライター）
柳美里（芥川賞作家）※中退
久冨慶子（テレビ朝日アナウンサー）
蜂飼耳（詩人、立教大学教授）
堀江有里（社会学者、神学者、牧師）
細田朋美（競泳選手、1988年ソウルオリンピック日本代表）

交通

根岸線石川町駅より徒歩10分
神奈川中央交通11系統「地蔵坂上」下車、徒歩1分

参考文献

加藤重『凛として生きる－渡辺カネ・高田姉妹の生涯－』（1996年）
横浜共立学園120年の歩み編集委員会『横浜共立学園120年の歩み』（1991年）

関連項目

神奈川県中[[学校]]一覧
神奈川県高等学校一覧
ブラウン塾
日本の男女別学校一覧
キリスト教[[学校教育同盟]]

脚注および参照

神保勝世『わたしは校長五十年』金子書房、1986年。ISBN 978-4-7608-3902-5。

外部リンク

* 横浜共立学園中[[学校]]高等学校

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