堀江藩

堀江藩の歴史

堀江藩（ほりえはん）は、明治維新期に遠江国に存在した短命の藩です。この藩の行政中心地は、遠江国敷知郡の堀江陣屋、現在の浜松市中央区に位置していました。もともとは高家旗本の大沢家の知行地で、藩は大政奉還後に明治元年（1868年）に認められましたが、短期間で幕を下ろし、その理由は石高の虚偽申告に起因します。

大沢氏の中世からの支配

大沢家は、中世以来この地域を治めてきた権力者です。初代基秀は藤原道長の子孫であり、南北朝時代に地頭として遠江に下向。その後、堀江城主となり、地元に根を下ろしました。第2代基久はスパ氏に仕え、また第7代基房は今川氏に重用されましたが、今川氏が衰退する中で、家康に抵抗する場面もありました。

明治維新と堀江藩の成立

第20代当主、大沢基寿は、幕末から明治維新の辺りで重要な役割を果たしました。和宮降嫁における付添役や大政奉還の際には朝廷にその旨を伝える役割も担いました。しかし、基寿は新政府に対して行った検地報告において実際の石高を意図的に大幅に膨らませ、開墾予定地の虚偽の計上を行いました。その結果、堀江藩は万石を知行する藩主として認められることになりました。

万石事件とその影響

しかし、維新後の不正が発覚し、基寿は士族へ落とされ、禁錮の処分が下されました。この事件は「万石事件」と呼ばれ、基寿やその他の関係者に重い罰が科せられました。堀江県はその後、静岡県へと合併され、大沢家の約500年にわたる地域支配が終焉を迎えました。

歴代藩主と領地

堀江藩の歴代藩主は大沢家で、主に領地は静岡県浜松市西部に集中していました。最終的な領地は、敷知郡および豊田郡にまたがり、合計で3550石を知行していました。廃藩時の基寿は加増を受け、万石の大名として認められましたが、その地位も短命に終わったのです。

結論

堀江藩の歴史は短くもドラマティックなものであり、検地における虚偽の報告がその運命を形作りました。結果的に、藩主の地位は維新の激動の中で崩壊し、地域支配も終わりを迎えることとなったのです。堀江陣屋の遺構はその後も競売にかけられ、歴史の中で消えていきましたが、その影響は浜松市の発展に微かに残っています。

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