堀秀村

堀秀村：戦国時代の武将

堀秀村（ほり ひでむら）は、日本の戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、大名でもあります。彼は近江国の国人領主であり、通称は次郎と称されました。また、彼の本名は元積（もとづみ）であり、存村（ながむら）とも同一視されることがあります。

人物の比定

歴史学者の谷口克広によれば、堀秀村は『寛政重修諸家譜』の中で、堀某（次郎・遠江守・秀基）とその子、存村（石見守）として言及されています。彼の持つ通称や生年が秀村と一致することから、両者は同一人物と考えられています。しかし、秀基についての記録は限られており、居城や住地に関する記述のみが存在するため、堀秀村の詳細な事績を確定することは難しいものです。

経歴

秀村は近江国の坂田郡北庄堀に住み、蒲葉城（かばがはじょう）、または鎌刃城（かまのはじょう）を居城としていました。彼についての記録には、初めに新庄氏を名乗り、その後に堀氏に改姓したとも伝わります。彼の父は浅井氏に仕官していたが、幼い頃に亡くなり、家老である樋口直房が秀村の後見人となって生活を支えました。

元亀元年（1570年）には、秀村も浅井長政に仕官していましたが、樋口直房の提案により織田信長に寝返りました。この際、秀村は15歳とされ、弘治3年（1557年）に生まれたと考えられています。彼はすぐに小谷城攻めに参加し、町を焼き払うなどの戦闘に従事しました。同月の姉川の戦いでは、信長の軍の先手としても行動を共にしました。

元亀2年（1571年）、秀村は浅井長政の指揮での出撃時に鎌刃城を守る役割を果たしましたが、木下秀吉からの援護を受けつつ、城を守り切ることができました。その後も小谷城の攻囲に秀吉と共に取り組みましたが、堀氏は坂田郡を広範囲にわたって支配していたため、秀吉よりも強力な権力を持っていました。このように、坂田郡では秀村と直房、信長・秀吉による二元的な支配が形成されており、信長はこの状況を好ましくは思っていなかったと考えられます。

天正元年（1573年）には越前朝倉攻めの際に木ノ芽城の守備を任されましたが、翌年に同城は越前一向一揆に攻撃され、樋口直房は一揆衆と和睦して逃亡してしまいました。その結果、堀秀村は改易となり、所領を信長に没収されました。

その後、秀村は表向きは秀吉に仕官したという記録があり、実際には1千石の知行を得た可能性がありますが、詳細は不明です。天正16年（1588年）には紀伊国での一揆鎮圧に関与し、豊臣秀長の指揮下で戦ったようです。この時期からは秀長に仕官していたとも考えられます。

堀秀村は慶長4年（1599年）に43歳で亡くなりました。歴史の闇に埋もれた彼の生涯は、多くの戦乱の中での戦士としての姿を伝えています。名将として名を刻む彼の業績は、戦国時代の複雑な歴史の一部を形成しています。

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