堀秀重

堀秀重（ほり ひでしげ）は、戦国乱世を生きた武将の一人です。

生涯

家督相続

堀秀重は、天文元年（1532年）に生まれました。父は堀掃部大夫と名乗っていましたが、その名は史料には残されていません。秀重は次男として生まれます。本来、家督は兄が継ぐはずでしたが、兄も父と同じ掃部大夫を称したものの、脚気を患い歩行が困難になったため、俗世を離れて一向宗の僧侶となりました。これにより、次男であった秀重が堀家の家督を継承することになったのです。

主君への仕官

家督を継いだ秀重は、はじめ美濃国の戦国大名であった斎藤道三に仕えました。道三が織田信長に滅ぼされると、秀重は続いて信長の家臣となります。信長のもとで秀重は武将としての地位を確立し、近江国坂田郡に3000石の領地を与えられたほか、さらに別途2000石を加増され、合計5000石を知行する身となりました。

嫡男・秀政の活躍

秀重の嫡男である堀秀政は、父に劣らず優れた人物であり、織田信長の初期からその寵愛を受け、やがて羽柴秀吉（後の豊臣秀吉）のもとで頭角を現しました。秀政は大名にまで栄進し、「名人」と称されるほどの行政手腕を発揮します。秀重は、息子秀政が大名となった後は、その家臣として、主に領地の代官的な立場から政務の補佐に当たったとされます。しかし、天正18年（1590年）、豊臣秀吉による小田原征伐の陣中で、秀政は病のため急逝してしまいます。嫡男の早世は、秀重にとって大きな悲しみであったでしょう。

晩年と最期

秀政の死後、堀家の家督は秀政の子、すなわち秀重にとっての孫である堀秀治が継ぎました。慶長3年（1598年）、秀治は越後国春日山30万石へと大幅に移封されます。この時、まだ若く経験の浅い孫秀治の後見役として、秀重も越後への移封に従いました。豊臣秀吉は、堀家の柱石として孫を支える秀重に対し、新たに1万400石の所領を与え、その貢献に報いたとされます。

越後で孫を支えた秀重でしたが、再び悲劇に見舞われます。慶長11年（1606年）5月、孫の秀治もまた、父である秀政と同じく病によって若くして亡くなってしまったのです。息子に続いて孫にまで先立たれた秀重の悲嘆はいかばかりであったでしょうか。そして、その孫の死からわずか半年後の慶長11年（1606年）11月28日、秀重自身もまた、孫の後を追うかのように世を去りました。享年75でした。息子、そして孫と、相次いで後継者に先立たれるという辛い晩年でしたが、秀重自身は武将としてまた堀家の重鎮として、その生涯を全うしたと言えるでしょう。堀家は秀治の子、忠俊が継ぎますが、後に改易の憂き目を見ることになります。

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