堀親家

堀親家（ほり ちかいえ）

堀親家は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて伊豆国で活躍した武士です。生年は不明ですが、建仁3年（1203年）に没しました。通称は藤次。

源頼朝の側近として

出自に関する詳細は不明ですが、治承4年（1180年）の源頼朝の挙兵時から、親家は頼朝の側近として仕え、山木兼隆襲撃や石橋山の戦いといった重要な戦いに参加しました。頼朝からの信頼は厚く、その初期の活動を支えた人物の一人と言えるでしょう。

源義高追討

元暦元年（1184年）4月、源義高が鎌倉から逃亡した際、頼朝は親家に義高の追討を命じました。親家の郎党である藤内光澄が入間河原で義高を討ち、その報告が鎌倉にもたらされました。しかし、この義高追討が思わぬ事態を引き起こします。義高は頼朝の娘である大姫の許嫁であり、大姫は義高の死を知って深く悲しみ、病に伏せてしまったのです。これに対し、大姫の母である北条政子は激怒し、「義高を討ったために大姫が病気になったのは、親家の郎党の不始末である」と頼朝を厳しく非難しました。政子の強い圧力により、頼朝は藤内光澄を処刑せざるを得なくなりました。

奥州合戦とその後

その後、親家は奥州合戦や頼朝の上洛にも従軍し、頼朝の死後は2代将軍・源頼家に仕えました。しかし、建仁3年（1203年）9月、頼家が病に倒れている間に、外戚である比企一族が北条時政らによって滅ぼされるという事件が起こります。この事態を知った頼家は、親家を使者として、時政を討つべく和田義盛・新田忠常に書状を送りました。ところが、義盛は書状を時政に渡してしまい、親家は捕らえられ、工藤行光によって殺害されてしまいました。この事件は、病床の頼家を深く憔悴させたと伝えられています。

関連作品

堀親家を題材とした、または堀親家が登場する作品として、以下のものがあります。

映画
『修禅寺物語』（1955年、演：富本民平）
テレビドラマ
『義経』（2005年、NHK大河ドラマ、演：徳井優）

参考文献

* 吾妻鏡

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