伊豆国

伊豆国の歴史と地域

概要

伊豆国（いずのくに）は、かつて存在した日本の令制国の一つで、東海道に位置していました。明治維新直前の伊豆国は、主に静岡県の南部と東京都の一部から成り立っていました。具体的には、熱海市、伊東市、三島市、田方郡の函南町などが含まれ、さらに伊豆諸島もその一部でした。

沿革

伊豆国は古代から存在した地方行政区分ですが、その詳細な成立過程についての記録は不明瞭です。『国造本紀』や『扶桑略記』によれば、神功皇后の時代に服部氏族が国造として任命されたとされ、孝徳天皇の時代には駿河国に編入された後、天武天皇の時代に再び独立したとされています。また、伊豆は駿河国の支配下にあったと考えられ、特に天武天皇9年（680年）に駿河国から田方郡と賀茂郡が分割され成立したと見なされています。

歴史的に、伊豆国は律令法により遠流の対象地とされました。このことから、伊豆諸島が辺境の島々とされていたことがわかります。中世になると、伊豆国は北条早雲に征服され、その後の戦国時代には後北条氏がこの地域を治めました。江戸時代には、伊豆国は幕府の直接の支配下に置かれました。

近代の変遷

明治維新後、伊豆国はさまざまな行政区画に再編されます。1868年には韮山県が設置され、さまざまな藩が領地替えを行いました。その後、1871年に足柄県、1876年には静岡県へと統合され、最終的には1878年に伊豆諸島が東京府に移管されました。

地域の特徴

伊豆国には、国府や国分寺、国分尼寺がありました。国府は田方郡に設置され、現在の三島市の近くと考えられていますが、正確な位置は未だに特定できていません。国分寺の遺跡も残っており、今でもその跡地は国の史跡として保護されています。

神社も多く存在し、『延喜式神名帳』には伊豆国内の92座もの神社が記載されています。三嶋大社や伊古奈比咩命神社、そして物忌奈命神社など、いくつかの重要な神社が今日に至るまで活動を続けています。

まとめ

伊豆国は、古代から近世にかけて日本の地域歴史において重要な役割を果たしました。地理的には静岡県や東京の一部を含み、特有の文化や神社、寺院が点在しています。その歴史は複雑であり、時代によって様々な変遷を遂げてきたことが、現在の地域の文化や伝統に色濃く反映されています。

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