堀進二

堀 進二について

堀進二（ほり しんじ、1890年5月5日 - 1978年3月27日）は、日本を代表する彫刻家で、東京出身です。彼は明治から昭和にかけて多くの影響力を持ち、数々の作品を残しました。

生い立ちと学び

堀は1890年に東京府赤坂区で誕生しました。若い頃から美術に興味を持ち、1906年に太平洋画会研究所に入学し、新海竹太郎から彫刻とデッサンを学びました。ここでは中原悌二郎や戸張孤雁といった後の名画家たちと共に学ぶ機会を得、彼の技術と感性は磨かれていきました。

堀は1911年に太平洋画会展に出品し、同会の正会員として活動を開始。その後1915年には第9回文展で「若き女の胸像」を出品し、褒状を受けて名声を高めていきます。続けて1916年から1918年には特選を3回連続で受賞するなど、彼の彫刻作品は高く評価されました。また、1919年からは帝展の審査員を務め、美術界において重要な役割を果たしました。

教育者としての活動

1928年から1946年にかけて東京帝国大学工学部建築科の講師を務め、1931年からは東京工業大学でも教鞭を取られました。戦後の彼の活動の一環として、母校である太平洋画会研究所の復興に尽力しました。1948年には東京美術学校（現在の東京芸術大学）の教授職に就き、その後も美術教育に大きく貢献しました。

特に1948年には東京工業大学から依頼され、名物の「ツバメマーク」をデザインしました。このデザインは1981年の創立100周年には正式なシンボルマークとして採用されることになりました。

後半生と功績

1950年からは千葉大学工学部工業意匠学科の教授として活躍し、さらに1957年には復興した太平洋画会研究所の校長として再びその指導を行いました。1958年には社団法人日展が発足し、堀はその評議員に就任。彼の作品は教育者としてだけでなく、一人のアーティストとしても広く認められました。

1960年には第3回日展出品作「人海」が評価され、日本芸術院賞を受賞しました。

主要作品の紹介

堀進二の代表作には多くの彫刻があります。1916年に作られた「中原悌二郎像」は旭川市彫刻美術館に収蔵され、1916年に彫刻された「渋沢栄一翁寿像」は如水会に展示されています。この作品は戦時中に失われた原型を元に復元されたものです。

また、1932年には東京大学構内に「濱尾新」を展示し、1937年には「古市公威」を東京大学工学部に設置しました。さらには「壺を抱く女」という作品が福島県立美術館に収蔵されるなど、彼の活動は日本各地に広がりを見せました。1966年にはレリーフである「畠山一清」が東京都港区の発明会館に設置されています。

生涯の終わり

堀進二は1978年3月27日、心筋梗塞により東京都文京区の病院で生涯を閉じ、87歳でした。彼の彫刻は現在も多くの人々に親しまれ、その影響と功績は美術界において色あせることなく受け継がれています。

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