堅倉村

堅倉村（かたくらむら）

茨城県の歴史において、東茨城郡の一部として存在した自治体に「堅倉村」があります。この村は明治時代に誕生し、昭和の大合併によってその姿を消しましたが、その旧村域は現在の小美玉市の北部地域にあたります。かつては、現在の小美玉市の前身の一つである旧美野里町の東部にあたる地域でした。

地理

堅倉村が存在した地域は、おおよそ現在の小美玉市の北部に位置しています。具体的には、現在の美野里地区の東部、石岡市や笠間市との境に近いエリアを含んでいました。平坦な土地が広がり、古くから農業が行われてきた地域です。

歴史

堅倉村の歴史は、明治時代の町村制施行に始まります。1889年（明治22年）4月1日、それまで個別に存在していた17の村や新田が合併し、新たに東茨城郡堅倉村が発足しました。

合併によって堅倉村を形成したのは、以下の村および新田です。

堅倉（かたくら）
三箇（さんが）
鶴田（つるた）
柴高（しばたか）
小岩戸（こいわと）
張星（はりほし）
部室（へむろ）
西郷地（さいごうち）
羽刈新田（はかりしんでん）
江戸新田（えどしんでん）
納場新田（のうばしんでん）
寺崎新田（てらさきしんでん）
高田新田（たかだしんでん）
手堤新田（てづつみしんでん）
大笹新田（おおざさしんでん）
橋場美新田（はしばみしんでん）
先後新田（まつのちしんでん）

これらの多くの小規模な集落が一つの自治体として統合されたことで、その後の地域の発展の基礎が築かれました。

堅倉村の歴史は、昭和の大合併期に一つの区切りを迎えます。1956年（昭和31年）8月1日、堅倉村は隣接する竹原村と合併しました。この合併により、まず竹原堅倉村が誕生します。しかし、竹原堅倉村はその成立と同じ日、すなわち1956年8月1日に直ちに名称を美野里村へと変更しました。この一連の合併・改称によって、堅倉村は単独の自治体としては消滅することとなったのです。美野里村はその後、町制施行を経て美野里町となり、さらに周辺自治体との合併を経て現在の小美玉市の一部となっています。

大字

堅倉村が成立した際、合併前の17の村および新田は、新しい村の大字として引き継がれました。現在も地名として残るものも多くあります。以下に、当時の大字とその読み方を示します。

堅倉（かたくら）
三箇（さんが）
鶴田（つるた）
柴高（しばたか）
小岩戸（こいわと）
張星（はりほし）
部室（へむろ）
西郷地（さいごうち）
羽刈新田（はかりしんでん）
江戸新田（えどしんでん）
納場新田（のうばしんでん）
寺崎新田（てらさきしんでん）
高田新田（たかだしんでん）
手堤新田（てづつみしんでん）
大笹新田（おおざさしんでん）
橋場美新田（はしばみしんでん）
先後新田（まつのちしんでん）

これらの地名が、かつての堅倉村の領域を今に伝えています。

交通

堅倉村の旧村域には、古くから主要な幹線道路が通っていました。特に重要な交通路として、一級国道である国道6号が挙げられます。国道6号は「水戸街道」とも呼ばれ、東京方面と水戸・仙台方面を結ぶ重要な道路であり、堅倉村を縦断していました。この道路は、地域の交通や物流において中心的な役割を果たしました。

堅倉村はその短い歴史の中で、周辺地域の再編統合の波に乗り、現在の小美玉市を形成する重要な一部となりました。その名前は自治体としては消滅しましたが、今も地名として、また地域の歴史として記憶されています。

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