堤川駅 (青森県)
堤川駅の概要
堤川駅（つつみがわえき）は、青森県青森市の造道大字浪打に位置していた運輸省が運営していた貨物支線の駅です。この駅は、1944年に開設され、石炭専用の貨物駅として機能していました。しかし、終戦後には休止され、運行を停止しました。
歴史的背景
第二次世界大戦中、日本国内では北海道で採掘された石炭が重要な資源として、特に京浜工業地帯の軍需工場で大量に消費されるようになりました。この時期、青函連絡船と東北本線を介した石炭の輸送量は急増していましたが、既存の輸送経路では容量的に限界を迎えていました。
この問題を解決するため、青函航路の輸送能力を向上させる取り組みが進められる一方で、機帆船による石炭の輸送も行われました。そして、石炭が陸揚げされるポイントとして堤川の河口付近に新しいバースが建設され、この埠頭に向けて浪打駅から分岐する貨物線が敷設されました。こうして1944年6月15日に正式に開設されたのが堤川駅です。
施設の運営と運行方法
堤川駅は浪打駅から約2.2キロメートルの場所にあり、石炭発送専用の貨物駅として利用されました。この駅は、浪打駅長によって管理され、スムーズな運行が行われるように、いくつかのルールが設けられました。具体的には、運行する上で事前に電話で打ち合わせを行い、操車係が列車に同乗すること、そして浪打駅へ入る際には信号機の指示に従って一旦停止することが求められていました。
終焉とその後
しかし、1946年10月20日に、堤川駅は休止されることになりました。その後、起点となる浪打駅は1968年に東北本線のルート変更に伴い廃駅となりましたが、堤川駅については特別に廃止の公示は行われていませんでした。そのため、堤川駅は休止駅としての扱いが続き、歴史の中でひっそりとその役目を終えることとなりました。
隣接駅
堤川駅の隣には、同じく運輸省により運営されていた東北本線の浪打駅が存在していました。
参考文献
関連項目
堤川駅の歴史は、時代背景に伴って変化した日本の物流の流れを物語っています。現在は静かにその存在を記憶として残すのみとなったこの駅は、当時の経済活動の一端を支えていたことを思い出させてくれる場所です。
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