場外離着陸場

場外離着陸場について

場外離着陸場は、国土交通大臣の許可を受けた航空機の離着陸が行える地点で、空港以外の場所に設置されています。日本では、航空機は原則として空港など特定の場所でのみ離着陸できると法律で定められていますが、特定の条件を満たす場合に限り、場外離着陸場として利用できます。これにより、様々な用途での航空活動が可能になります。

概要

主に安全な離着陸のためには、施設の整備や維持に多大な費用がかかります。しかし、国土交通省や電力会社など多様な団体の活動を考慮するため、飛行場の基準を満たさない場所でも、必要な条件をクリアすれば離着陸を行うことが可能です。場外離着陸場には、軽航空機が利用できる伊是名場外離着陸場や、他にも多くの種類が存在します。これには、グライダーを用いる滑空場、病院や発電所内にあるヘリパッド、災害時に使用される学校のグラウンドや駐車場も含まれます。農道を利用する「農道空港」もここに分類され、正式には農道離着陸場と称されます。

さらに、この種の離着陸場には「防災対応離着陸場」というカテゴリーがあり、災害時に特化して使用される場所です。これらは通常、学校のグラウンドや駐車場が使用されることが多く、設置基準が通常の場外離着陸場より緩和されています。

使用する際は、所轄の空港事務所に事前に航空機の使用申請が必要です。この申請が承認されないと、承認された航空機のみが使用可能です。ただし、緊急な捜索活動や救助活動に従事する機関で使用される航空機については、特別な許可を必要とせずに離着陸が可能です。

緊急場外離着陸場

高層ビルの屋上などに設置されるヘリパッドは「緊急離着陸場」と呼ばれ、主にビル火災時や事故発生時に人命救助や消火活動に用いられます。これに対し、場外離着陸場は一般的な離着陸のニーズに応えるために設置されており、用途が異なります。さらに、「R」マークで示された「緊急救助用スペース」は、主に消防活動の指導のもと設置され、特定の救助行動のために使われます。

場外離着陸場の設置基準

場外離着陸場を設置するには、まず土地の所有者または管理者の同意が必要です。次に、都道府県に関連する資料を提出し、現地調査を受けます。このプロセスを通じて、都道府県消防・防災航空隊からの許可を受けて、最終的に空港事務所に「飛行場外離着陸許可申請書」を提出する必要があります。

また、設置に際しては、他の人や物件に危害を及ぼさないようにすることが求められ、着陸帯の平坦さや逆勾配の制限、最低限の強度が求められます。さらに、着陸帯の周囲には障害物がないこと、散水などを行って砂塵を防ぐこと、立ち入り禁止措置を講じることが必要です。そして、旗や発炎筒による明確な表示、航空機の誘導や安全を担保するための警備員の配置も重要です。

このように、場外離着陸場は様々な活動を支えるために重要な役割を果たしています。各々の場外離着陸場の特性や設置要件を理解し、適切に運用されることが求められます。

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