塑性

塑性（そせい）について

塑性とは、外部から力を加えられた際に物質が変形し、その後荷重を取り除いても元の形に戻らない性質を指します。この特性は、永続的な変形を引き起こすため、塑性変形が生じた場合には「永久ひずみ」とも呼ばれます。

塑性の性質は主に二つの側面に分けられます。それは延性と展性です。金属の中には、伸びることで形を変えられる「延性」を持つものと、薄く広がることで特性を示す「展性」を持つものがあります。このため、金属材料は様々な形状に加工することができ、広く利用されています。

例えば、建築分野では「塑性変形」という用語がよく使われます。これは、鋼材などの構造物が外部からの力を受けた際に、最大の耐荷重を超えて変形し、荷重を除去した後でも元の形に戻らない状態を指します。塑性変形が発生すると、構造物はその耐久性や安全性に影響を与えるため、注意が必要です。

金属の塑性変形に関する指標やテスト方法にはいくつかの種類があります。最も一般的なのは「引張試験」で、これは金属の硬さや強さを測定するために用いられます。この試験では、試験片に引っ張り力を加え、破断が起きるまでの過程を観察します。特に、低強度域においては、金属の硬さと塑性変形抵抗が密接に関連しています。

引張試験から得られる代表的な特性値には、以下のようなものがあります。
1. 強さの指標
- 降伏点や引張強さ

2. しなやかさの指標
- 伸びや絞り、靭性値

特に「伸び」は金属の延性の重要な指標と見なされており、試験によって以下の手順で求められます。まず、試験片に二つの標点を設定し、その間の距離（L0）を測定します。次に、引張破断後に再度この距離を測り（L1）、伸びは次の式で計算されます。

伸び（％） = 100 × (L1 - L0) / L0

また、縮む場合の圧縮ひずみは次のように求められます。

圧縮ひずみ（％） = 100 × (L0 - L1) / L0

材料力学では通常、伸びは正の値として扱いますが、土のように引張抵抗が少ない材料の場合は圧縮が正とされます。

「絞り」は展性の指標として利用され、次の式で求められます。引張前の試験片の断面積をS0、破断後の最もくびれている部分をS1とすると、

絞り（％） = 100 × (S0 - S1) / S0

引張試験の際、材料内の微細な欠陥が破断の起点となる可能性があり、絞りが大きいほど、破断までの可塑性が高いとされます。

特に、金は非常に高い展性および延性を持つ金属の一例であり、例えば金箔の生産においてその特性が活かされています。

まとめ

塑性という特性は、金属の加工や利用において極めて重要な要素です。これにより、金属材料はさまざまな用途に応じて柔軟に加工可能な特性を持っており、工業や建築など、多岐にわたる分野での応用が期待されています。

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