塔路町

塔路町（とうろちょう）

概要

塔路町は、かつて樺太に存在した町で、アイヌ語の「トウ・オロ」から名付けられました。これは「湖のある所」という意味です。1949年に町は廃止され、現在はロシア連邦のサハリン州シャフチョルスクとして実効支配されています。町が誕生する前は、恵須取町に属していましたが、炭鉱の町として急成長を遂げ、1938年に独立しました。独立当初の人口は30,270人であり、樺太内では恵須取町や豊原市に次ぐ規模を誇っていました。

歴史

塔路町の歴史は、1938年4月1日に始まります。この日に名好郡恵須取町の一部が分立し、塔路町が一級町村として誕生しました。その後、1940年1月には恵須取支庁の管轄に移行し、1942年11月には恵須取郡に変更されました。1943年4月1日、内地編入が行われ、『樺太ニ施行スル法律ノ特例ニ関スル件』（大正9年勅令第124号）が廃止されたことで、塔路町はより日本本土に近い存在となりました。

しかし、1945年8月22日、ソビエト連邦により占拠され、町の運命は大きく変わりました。1949年6月1日には国家行政組織法の施行に伴い、法的に樺太庁が廃止され、同日タロウ町も廃止されました。

町内の地名と交通

町内には、樺太西線が建設中で、久春内村から珍内町、恵須取町を経由し、町内の藻糸音までつながる予定でしたが、ソ連の占領により完成には至りませんでした。また、塔路炭鉱から沿岸部への塔路軌道も存在し、現在はシャフチョールスク市の貨物交通部による狭軌鉄道として使用されています。

さらに、町内には日本軍によって建設された飛行場もあり、当時の交通の要所としての役割を果たしていました。

教育

1945年4月1日現在、塔路町内には以下のような学校が存在しました：

• - 樺太公立塔路第一国民学校
• - 樺太公立塔路第二国民学校
• - 樺太公立塔路第三国民学校
• - 樺太公立塔路浜国民学校
• - 樺太公立糸音国民学校
• - 樺太公立千緒国民学校
• - 千緒沢分教場

これらの学校が地域の教育を支えており、町の人々に多くの知識と経験を提供していました。

終わりに

塔路町は、独自の歴史と文化を持つ町であり、多くの人々が住んでいました。現在はその面影を失いつつありますが、かつて存在したこの町の記憶は、歴史の一部として今も語り継がれています。

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