塚原朋一

塚原 朋一（つかはら ともかつ）

1945年8月21日生まれの塚原朋一氏は、日本の著名な裁判官、弁護士、弁理士として広範なキャリアを積んできました。彼は、最高裁判所調査官として重要な役割を果たし、知的財産高等裁判所の所長を務めたことで知られています。また、早稲田大学大学院教授として法教育にも貢献してきました。現在は、創英国際特許法律事務所の共同代表パートナー会長を務める一方、TMI総合法律事務所の顧問としても活躍しています。さらに、彼はその業績が認められ、瑞宝重光章の栄誉を受けています。

経歴

塚原氏の学歴は栃木県立栃木高等学校から始まり、その後一橋大学経済学部に進学します。在学中、彼は塩野谷祐一教授のゼミで学びましたが、経済学が社会公共の利益を扱う学問であることに気づき、自分のキャリアに活かすため、司法の世界に進むことを決意します。大学3年生の時に公認会計士を目指して勉強を始め、その中で民法や商法に触れ、最終的には法学に対する興味を抱くようになりました。その結果、旧司法試験の勉強を始め、約1年後に上位の成績で合格を果たしました。

1968年3月に大学を卒業し、4月には司法修習生として最高裁判所司法研修所に入所。その後、彼は友人の薦めで判事補に任官し、大阪地方裁判所や山形地方裁判所での勤務を経て、1980年に判事に任官されました。その後、東京地方裁判所、千葉地方裁判所を経て、最高裁判所調査官としても重要な職務を担いました。1988年から1994年までの期間には東京地方裁判所の判事、続いて仙台地方裁判所部総括判事を経て、再び東京地方裁判所部総括判事に戻り、1999年から2000年には東京高等裁判所判事、さらに釧路地方裁判所所長を務めます。

2001年から2003年にかけて甲府地方裁判所所長としても活動し、その後東京高等裁判所第18民事部（知財専門部）にて部総括判事として活躍。2007年から2010年には知的財産高等裁判所の長に就任し、裁判官を定年退官しました。その後、弁護士として登録し、特許業務法人谷・阿部特許事務所の顧問役も務め、さらに早稲田大学大学院法務研究科教授としての役割も果たしてきました。

2013年には創英国際特許法律事務所の常任顧問に就任し、続いて共同代表パートナー会長という要職に就任。2015年には瑞宝重光章を受賞し、その業績が広く評価されています。

著作

塚原氏は数多くの著作を残しており、彼の研究や実務に基づいた知見が書籍や論文としてまとめられています。その中には『事例と解説民事裁判の主文』（2006年）、『少額訴訟実務マニュアル』（2000年、共著）、『新民事訴訟法の理論と実務』（1997年、上下巻）などがあります。また、彼の業績を記録するための論文集や特集記事も多く、知的財産権や民事訴訟に関する法的な視点を提供しています。

彼は、法律の現場に深く関わり、特に知的財産権の適正な運用と維持に尽力してきたことが、彼の業績の特徴でもあります。これは、日本における知的財産訴訟の現状を理解する上でも貴重な情報源となっています。

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