塚廻古墳

塚廻古墳の詳細

塚廻古墳（つかまわりこふん）は、大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町に存在する円墳であり、百舌鳥古墳群の一部として知られています。この古墳は大仙陵古墳の陪塚と位置付けられており、その重要性から国の史跡に指定されています。

古墳は大仙陵古墳の東側に位置し、周囲の濠に接しています。墳丘の直径は約35メートル、高さは4.5メートルという規模を持ち、墳丘の周辺には埴輪の列が見られることが特徴です。研究により、周囲には濠が存在していたことも確認されています。古墳内部には木棺が安置されており、1912年に行われた発掘調査によって数々の重要な副葬品が発見されました。

この調査は坪井正五郎の指導のもと行われ、長さ3メートル、幅54センチメートルの中央部がくぼんだ木板が見つかり、これは割竹形木棺の底部である可能性が指摘されています。しかし丸木船が木棺の代わりに使われていた可能性もあり、正確なところは未だ不明です。出土品には、変形四獣鏡や変形五獣鏡、鉄製の刀剣や勾玉、さらにはガラス製や碧玉製の装飾品が含まれています。特に、ガラス製の小玉は1000個以上も発見され、その規模の大きさに驚かされます。

塚廻古墳の発掘は、2日間という短い期間で行われたものであり、その後の経緯も波乱に満ちています。発掘直後には宮内省から中止命令が出されるなど、関係者の間での混乱があったことが記録されています。発掘後、報告書は当時の新聞記者によって作成され、考古学雑誌に寄稿されましたが、学術的な調査としては不十分なものであったとされています。また、発掘した地主側と遺物の帰属を巡って政府との間で法律問題が生じるなど、発掘の影響は長期にわたったことが知られています。

塚廻古墳の発掘調査は、日本古墳時代の文化や葬儀に関する理解を深める上で重要な役割を果たしました。宮内庁書陵部に保管されている出土品は、古墳の歴史的意義を物語っています。特に、出土品の多様性は、当時の人々の生活や信仰の一端を窺い知る手がかりとなるでしょう。塚廻古墳は、ただの古墳ではなく、過去と今をつなぐ大切な文化遺産なのです。現在、この古墳は文化遺産オンラインで紹介されており、多くの人にその魅力を伝えています。

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