塚本善隆

塚本善隆に関する詳細

塚本善隆（1898年2月8日 - 1980年1月30日）は、日本の仏教学者であり浄土宗の僧侶で、中国仏教研究の第一人者として知られています。彼はまた、京都大学の名誉教授でもあり、元日本学士院の会員でもありました。彼の学問は日本国内外で高く評価されており、特に中国の仏教史に関する研究に注力しました。

来歴

塚本は愛知県に生まれ、1914年に滋賀県立膳所中学を卒業後、1918年には京都の佛教専門学校（現在の佛教大学）を卒業しました。その後、1922年に東京の宗教大学（現：大正大学）を卒業、1926年には京都帝国大学文学部の印度哲学・東洋史選科を修了します。その後1949年には『北魏仏教史の研究』というテーマで文学博士号を取得しました。

学業を終えた彼は、1928年から1929年にかけて北京大学に留学し、帰国後は東方文化学院京都研究所の研究員として活動を開始しました。1949年からは京都大学人文科学研究所の教授となり、1955年から1959年にかけて同所長としても活躍。1960年に退官後も、京都国立博物館の館長や華頂短期大学の学長を務め、1972年には勲二等瑞宝章を受章、1974年には京都大学名誉教授となりました。

学問的影響

塚本はその学問キャリアの中で、仏教学を専門的に学び、特に望月信亨や矢吹慶輝といった著名な教育者から指導を受けました。彼は仏教学と歴史学を同時に学ぶ独自のスタイルを取り入れ、多方面にわたる研究成果を残しました。また、九州大学、神戸大学、佛教大学などで講師を務め、多くの後進の指導にも尽力しました。

彼が特に注目を集めたのは、1953年に嵯峨清凉寺の住職として、本尊である釈迦如来像の胎内調査を行った際の発見です。ここで発見された遺物は、多くの研究者たちにインスピレーションを与えました。また、京都妙泉寺でも住職として活動し、仏教の普及に努めました。

著作と研究

塚本は多数の著書や論文を執筆しており、特に『唐中期の浄土教』や『支那佛教史研究－北魏篇』など、中国仏教の研究において重要な貢献をしています。彼の著作は、仏教研究の基盤となり、その学識は多くの研究者に受け継がれています。

主な著書には、以下のようなものがあります：

• - 『唐中期の浄土教』
• - 『支那佛教史研究－北魏篇』
• - 『日支佛教交渉史研究』
• - 『大同仏』
• - 『肇論研究』
• - 『中国仏教通史　第一巻』

これらの著作は、彼の深い洞察力と広範な知識を示すものであり、中国仏教に対する理解を深めるための重要な資料となっています。

人物と家族

彼の家族には、娘婿の田村圓澄も著名な仏教学者であり、古代史学者として知られています。塚本善隆の学問的影響とその家族の関連性は、仏教研究の領域でさらに深い意味を持っています。

彼の業績は現在の仏教界や学術界にも深く根付いており、彼の研究はこれからも多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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