塩上町

塩上町

高松市中心部の東側に位置する塩上町（しおがみちょう）は、郵便番号760-0062に定められている町丁です。この町は、区域の大部分で住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施されており、一丁目から三丁目が設けられています。一方で、一部の地域では住居表示が適用されず、従来の地番がそのまま用いられています。この住居表示の実施・非実施区域の混在は、塩上町の特筆すべき点の一つです。

地理

高松市の中心部からは東へ約0.9キロメートルの距離にあり、北側は国道11号、東側は杣場川、南側は市道藤塚町多賀町線およびことでん長尾線の線路、西側は東田町およびことでん琴平線の線路によって区画されています。ことでん瓦町駅の東口に隣接していますが、西口側とは異なり大規模な商業施設の集積は少なく、主に古くからの民家やアパートが密集する下町風の住宅街が広がっています。この住宅街の中には、事務所などが入居するビルといった業務施設も混在しています。ただし、観光通りよりも南側の南部地区は様相が異なり、観光通り沿いにはオフィスビルが立ち並び、その内側にも高密度の住宅地が広がっており、高松市の都心部に連続する中心市街地の一角を形成しています。この南部地区は、観光通一丁目や二丁目によって町の大部分から切り離された飛び地となっています。

統計

2010年の国勢調査によると、塩上町の人口は1,719人（男性872人、女性847人）で、1,071世帯が暮らしています。町域の面積は18万6358.43平方メートル、人口密度は9224.2人/平方キロメートルです。

学校区

公立の小学校・中学校の校区は、町内の地域によって分かれています。南部地区および一丁目の一部（ことでん長尾線の線路より南側の8番）は花園小学校および玉藻中学校の校区となります。一方、一丁目（長尾線の線路より北側の1番から7番）、二丁目、三丁目は、小中一貫校である高松第一小学校・中学校の校区に指定されています。

都市計画

町内の用途地域は細かく指定されています。南部地区の大部分と二丁目の一部（国道11号沿い）は商業地域で容積率500%です。これらに接する二丁目の街区、市道塩上町花園線より西側、および一丁目の全域も商業地域で容積率400%です。さらに南部地区のうち、市道魚屋町栗林線より西側で観光通りに面した街区は容積率600%の商業地域となっています。これ以外の二丁目の一部と三丁目の全域は近隣商業地域に指定されており、容積率300%、建ぺい率80%が定められています。

河川

町の東端を流れる杣場川は、上流では玉川とも呼ばれていましたが、高度経済成長期に暗渠化されたため、現在はその上が道路として利用されています。

住居表示の混在現象

塩上町の特徴である住居表示における「○丁目」表記と地番表記の混在は、町内に住居表示実施区域と非実施区域が存在することに起因します。この状況は、高松市の中心部が1945年（昭和20年）7月4日の高松空襲で壊滅的な被害を受けた後の復興プロセスと深く関わっています。空襲からの復興のために大規模な土地区画整理事業（戦災復興土地区画整理事業）が広範囲で施行され、塩上町もその対象となりました。区画整理事業が完了した地区では、換地処分と同時に地番整理が行われましたが、その後の住居表示の実施は段階的に進められ、地番整理済みの地区でも必ずしも住居表示が実施されるとは限りませんでした。このため、道路配置などの都合により、住居表示実施区域と非実施区域の境界が一つの町の中で分かれてしまうケースが発生し、塩上町の南部地区がその一例となりました。結果として、同じ塩上町でありながら、「塩上町一丁目」のように丁目が付く住所と、丁目が付かない地番のみの住所が併存することになっています。なお、これらの区域の郵便番号は共通です。

歴史

塩上町という町名の由来は、かつて存在した塩屋町という町の「上手」、すなわち南側に位置していたことに由来すると伝えられています。現在の町域の大部分は、もともと香川郡東浜村大字東浜の一部でした。1921年（大正10年）1月1日に東浜村が高松市に合併した際、大字東浜の区域が三つに分割され、その一つとして塩上町が新たに設けられました。1945年（昭和20年）7月4日未明の高松空襲では、町内は甚大な被害を受け、灰燼に帰しました。空襲からの復興を目指し、高松市中心部では大規模な戦災復興土地区画整理事業が施行され、塩上町も事業の対象となりました。ことでん琴平線の線路より東側、観光通りより北側の区域は第一工区第二次区域、それより西側および南側の区域は第一工区第三次区域として整備が進められました。この事業を通じて、現在の国道11号高松北バイパス、県道160号高松港栗林公園線、市道瓦町松島線、市道東浜港多賀線、観光通り、フェリー通りといった主要な幹線道路や多くの街路が新設・拡幅され、町の骨格が大きく再編されました。区画整理事業の完了を示す換地処分は、区域ごとに1964年（昭和39年）1月25日、1970年（昭和45年）5月19日に行われました。町域の変更も何度か行われており、1958年（昭和33年）には町北部に一丁目から三丁目が設定され、町域の一部が東田町、観光通、常磐町、瓦町の各一部へ編入されています。1964年（昭和39年）には町内の大部分で住居表示が実施され、北部には改めて一丁目から三丁目が設けられるとともに、町域の一部が東田町、瓦町、常磐町、観光通、築地町、八坂町、塩屋町へ編入された一方、塩屋町、花園町、八坂町の各一部が塩上町へ編入されました。

主要施設

町内には、地域住民の生活に関わる様々な主要施設が点在しています。

隣接する町丁

塩上町は、東田町、瓦町、常磐町、観光通、築地町、八坂町、塩屋町、花園町など、高松市中心部の複数の町丁と境界を接しています。

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関連項目

高松市の町・字 (Wikipediaへのリンクは例示)
高松市 (Wikipediaへのリンクは例示)
* 東浜村

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