塩屋俊

塩屋 俊（しおや とし）

塩屋俊は、1956年8月5日に大分県大野郡野津町（現在の臼杵市）に生まれ、本名としては塩屋智章（しおや のりあき）という名前を持つ日本の俳優および映画監督です。彼の息子も俳優として活動しており、親子二代にわたって演技の世界に身を置いています。

慶應義塾大学の文学部教育学科を卒業後、塩屋は大学在学中に「モデル・プロダクション」（東京学生英語劇連盟）に参加し、奈良橋陽子に演技を学びました。当初は演出家を志望していましたが、1977年に英語ミュージカル『ヘアー』で主役を演じたことをきっかけに、芸能界への道を歩み始めました。彼はネイバーフッド・プレイハウスのメソッド演技を学び、その技術を基に、テレビや映画など多岐にわたる作品に出演しました。

1994年には、「塩屋俊アクターズクリニック」を設立し、俳優として活動するかたわら、このクリニックを通じて後進の指導にも尽力しました。アクターズクリニックからは、相武紗季、桐谷健太、向井理、夏菜などの著名な俳優が巣立っています。塩屋自身も教え子たちの才能を見出し、特に鈴木亮平の成長に期待を寄せていました。彼は直接的な指導を通じて、多くの若い俳優たちをサポートし、励まし続けていました。

2013年6月5日、塩屋は宮城県仙台市での公演中に楽屋で倒れ、急性大動脈解離によりこの世を去りました。享年56歳でした。その公演にはアクターズクリニックの教え子たちが出演しており、塩屋の突然の死は多くの人々に衝撃を与えました。彼の死後、同年8月に「塩屋俊を偲ぶ会」が開かれ、約450名の関係者が集まり、彼の功績を振り返り、今もなお彼の影響を受けた数多くの俳優たちが存在することを再認識しました。2014年には臼杵市から市民栄誉賞が贈られ、彼の功績が公式に認められました。

塩屋俊の死後、彼が設立した個人事務所「ウィル・ドゥ」は破産しましたが、「アクターズクリニック」は後進によって存続しています。彼が培った演技の技術や教育理念は、今も多くの人々に受け継がれています。

主な出演作品

テレビドラマ

• - ポーラテレビ小説 元気です!（1980年 - 1981年、TBS）
• - 連続テレビ小説 おしん（1983年 - 1984年、NHK）：八代希望 役
• - 大河ドラマ 徳川慶喜（1998年、NHK）：山内容堂 役
• - 火曜サスペンス劇場など多くの作品に出演。

映画

• - ミスター・ベースボール（1992年）：西村洋次
• - 釣りバカ日誌シリーズ（1997年 - 1998年）：外村総務部長、総務課長
• - KAMIKAZE TAXI（1995年）：臨死体験講座講師

監督作品

彼は以下のような作品を監督しました。

• - 6週間 プライヴェートモーメント（2001年）
• - 種まく旅人〜みのりの茶〜（2012年）

塩屋俊の多彩な活躍とその教え子に対する情熱は、今もなお多くの人々の心に刻まれています。彼の影響は、演劇界において生き続けているのです。

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