塩川徹也

塩川 徹也の業績

塩川徹也（しおかわ てつや、1945年10月19日生まれ）は、日本におけるフランス文学の専門家であり、その業績は国内外で高く評価されています。東京大学の名誉教授であり、また日本学士院の会員としても知られています。彼は、2018年には文化功労者として表彰され、2019年には瑞宝重光章を受章しました。優れた学問の功績とともに、彼のパスカルに対する深い理解と解釈が、多くの研究や著作に反映されています。

略歴

塩川は福岡県に生まれ、1964年に日比谷高校を卒業。その後、1968年に東京大学教養学部にてフランス文学を学び、その後大学院に進学しました。1971年にはパリ第4大学の修士課程を修了し、その後1975年に同邦の博士課程をも修了しました。1976年に京都大学の助教授としてキャリアをスタートし、1980年からは東京大学文学部において助教授として勤務しました。1993年には教授に昇進し、2009年に定年退任、名誉教授となります。その後、同年12月には日本学士院会員に選出されました。

塩川は2017年に皇居で行われた講書始で『人は今を生きることができるか - パスカルの時間論』について講義を行い、その内容は多くの人々に影響を与えました。

受賞歴

彼の学問的な業績は多くの受賞につながっています。1978年にはフランス学士院のヴィクトール・デルボス賞、1986年には渋沢・クローデル特別賞を受賞。2004年には『パスカル考』で和辻哲郎文化賞、2005年には日本学士院賞を獲得しました。さらに、2017年にはパスカルの『パンセ』の訳注で読売文学賞を受賞しています。

著作・翻訳

塩川の研究成果は、多数の著書や翻訳に集約されています。1985年に発表した『パスカル 奇蹟と表徴』をはじめ、『虹と秘蹟 パスカル<見えないもの>の認識』（1993年）や『パスカル『パンセ』を読む』（2001年）など、ジャンルを超えた多様な研究が彼の学問的探求を支えています。また、近年の著作としては『発見術としての学問』があり、フランス文学の広範な歴史にも触れています。

共同編著としては『フランス文学 中世から現代まで』（1994年）や『フランス文学史』（1995年）などもあり、フランス文学の研究と教育に貢献しています。翻訳作業も多岐にわたり、パスカルの『パンセ』全3巻をはじめとして、他の重要なフランスの作品の翻訳を手掛けています。

結論

塩川徹也の学問に対する情熱と貢献は、日本のフランス文学研究に多大な影響を与えてきました。彼の受賞歴や著作、教育活動を通じて、フランス文学の魅力を広め、多くの学生や研究者に刺激を与え続けています。彼の業績は今後も日本の文学界において重要な位置を占めることでしょう。

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