塩月弥栄子

塩月弥栄子について

塩月弥栄子（しおつき やえこ、1918年4月4日 - 2015年3月8日）は、日本の茶道家であり、冠婚葬祭に関する評論家として広く知られています。茶名は宗芯（そうしん）で、裏千家伝名誉教授や淡交会の顧問も務めました。彼女は茶道の品格を守り続け、現代に伝える役割を果たしました。

経歴

弥栄子は京師京都で生まれ、茶道の世界に身を投じました。1938年には、東京で富豪の長男との結婚を果たしますが、1948年には家庭を捨てて出奔。1952年には精神科医と再婚し、それ以降も茶道活動への情熱を燃やし続けました。東京都港区南青山に自らの茶道教室「塩月弥栄子の茶室」を設立。ここでは、一般向けに茶道を教えることで茶文化の普及に努めました。

彼女はまた、裏千家および淡交会の顧問や、さまざまな組織の役職を務めるなど、茶道以外でも多くの活動を行っていました。茨城大学などの教育機関でも教鞭を執り、茶道についての知識を広める努力を惜しみませんでした。

著作

塩月弥栄子は数多くの著書を執筆し、その中でも『冠婚葬祭入門』は特に有名です。この本は約700万部を売り上げ、さらにテレビドラマや映画にもなりました。また、他にも『弥栄子の言葉のこだわり』や『上品な話し方』などがあり、茶道に限らず、マナーや身の振る舞いに関する指南書としても多くの人々に親しまれました。彼女の著作は、結婚や葬祭といった人生の重要な場面でのマナーや心得を伝え、多くの読者に影響を与えました。

メディア出演

また、塩月弥栄子はメディアにも積極的に出演しており、1962年から1968年までNHKの『私の秘密』にレギュラー出演し、その知識と見識を多くの人々に伝えました。彼女は視聴者に対する親近感を持ちつつ、茶道やマナーに関する講演会も行うなど、広範囲にわたって活動していました。

功績

1991年には勲四等宝冠章を受章し、その業績が認められました。彼女は茶道界において非常に重要な地位を築き、同時に多くの人々にも影響を与え続けました。2015年3月8日、彼女は96歳で老衰によりこの世を去りましたが、その教えや業績は今もなお人々の心の中に生き続けています。

家族

弥栄子には長女がソロプチミスト日本中央リジョン初代ガバナー熊谷榮美子、二女には茶道家の五藤宗紫（五藤禮子）がいます。家族も茶道に携わり、彼女の遺志を引き継いでいます。彼女の生涯は、茶道とともに歩んできたものと言え、その教えは後世へと受け継がれています。彼女の存在は日本の文化に深く根ざしており、今後もその影響は続くことでしょう。

もう一度検索