塩浸温泉

塩浸温泉龍馬公園

鹿児島県霧島市にある塩浸温泉は、その歴史と豊かな自然に彩られた温泉地です。かつては「鶴の湯」と呼ばれ、傷を癒す鶴が発見されたことが名前の由来とされています。古くから、切り傷や胃腸病に効能があるとされ、多くの人々に親しまれてきました。

歴史

塩浸温泉の歴史は古く、1806年頃に発見されたと伝えられています。その後、1866年には坂本龍馬とお龍が新婚旅行で訪れ、その際に利用したとされる湯船が現在も残されています。この訪問をきっかけに、塩浸温泉は龍馬ゆかりの地としても知られるようになりました。

1867年には、地元の岡本助八が浴場を設け、戊辰戦争の負傷兵の療養に利用されたことで、その効能が広く知られるようになりました。温泉の周辺には、塩のような白い固形物「塩牡蠣」が見られたことから、塩浸温泉と呼ばれるようになったとされています。薩摩藩によって道路や温泉施設が整備され、地域の人々に愛される温泉地として発展しました。

その後、1969年に町営の温泉センターが開業しましたが、施設の老朽化により2009年に一時閉鎖されました。しかし、2010年には新たに塩浸温泉龍馬公園としてリニューアルオープンし、温泉施設に加え、龍馬に関する資料を展示する施設も整備されました。公園の総面積は1,795平方メートル、総事業費は約2億6800万円が投じられました。

施設

公園内の入浴施設は、石坂川沿いに建てられており、2つの異なる源泉から引かれた温泉を楽しむことができます。男湯は「龍馬の湯」、女湯は「お龍の湯」と名付けられ、それぞれ趣の異なる湯船が設けられています。また、かつての管理棟は龍馬資料館「この世の外」として生まれ変わり、龍馬に関する貴重な資料が展示されています。さらに、無料で利用できる足湯「龍馬とお龍の縁結びの足湯」も設置されており、気軽に温泉を楽しむことができます。

入浴施設の前には「坂本龍馬・お龍新婚湯治の碑」が建てられており、彫刻家楠元香代子による龍馬とお龍の像が、訪れる人々を迎えています。石坂川を挟んだ西側には国道223号が通っており、以前は温泉施設への専用の橋がありましたが、現在は新しい「塩浸温泉橋」が架けられています。この橋は、かつて使われていた橋の構造を一部残した形で架け直されており、歴史を感じさせる景観となっています。

アクセス

塩浸温泉龍馬公園へは、鹿児島空港やJR国分駅から鹿児島交通バスを利用し、「塩浸温泉」バス停で下車するとすぐです。日帰り入浴も可能なので、気軽に立ち寄ることができます。

まとめ

塩浸温泉龍馬公園は、歴史と自然、そして龍馬のロマンが詰まった魅力的な場所です。温泉で心身を癒し、龍馬の足跡をたどる旅は、きっと心に残る思い出となるでしょう。


所在地: 鹿児島県霧島市牧園町宿窪田3606番地
泉質: 2つの異なる源泉
効能: 切り傷、胃腸病など
施設: 入浴施設（龍馬の湯、お龍の湯）、龍馬資料館「この世の外」、足湯、公園
アクセス: 鹿児島空港・JR国分駅からバス


参考文献
牧園町郷土誌編さん委員会編 『牧園町郷土誌』
黒川達爾雄 『かごしま文庫41 いで湯の国・鹿児島』

外部リンク
塩浸温泉龍馬公園（特定非営利活動法人薩摩龍馬会）
* 塩浸温泉龍馬公園（霧島市観光協会）

もう一度検索