塩竈みなと祭

塩竈みなと祭

塩竈みなと祭（しおがまみなとまつり）は、宮城県の塩竈市で毎年7月の第3月曜日（海の日）に行われる伝統的なお祭りです。この祭りは、広島県の宮島町にある厳島神社の管絃祭や神奈川県真鶴町の貴船まつりと並んで、日本三大船祭りの一つとされています。

祭りの概要

この祭りは、1948年にスタートし、港町・塩竈の経済発展と、戦後の疲れた市民の元気回復を願って始められました。毎年、鹽竈神社と志波彦神社から神輿が市内を練り歩き、その後、神輿は塩竈港に待つ御座船（龍鳳丸、鳳凰丸）に乗り入れ、海上を巡るという特異な形式で行われます。海の上では100隻を超える漁船が大漁旗を掲げ、御座船を祝う音を奏でます。また、市内では「よしこの鹽竈」や「塩竈甚句」などのパレードや花火大会も同時に開催されます。

歴史的背景

塩竈みなと祭が始まった背景には、1945年の終戦後、漁業の再興がありました。戦争によって多くの大型漁船が失われたものの、小型船が残り、出漁が行われました。これは、政府の魚介類配給と価格統制の撤廃が影響し、漁業業界が「浜景気」と呼ばれる好景気を迎えるきっかけとなりました。

1948年に当時の商工会議所事務局長の提案により、塩竈港の発展を目的とした塩竈みなと祭が創設されました。最初の開催日には、鹽竈神社の祭りである7月10日が選ばれ、神輿の海上渡御がメインイベントとして位置付けられました。

昭和時代からの発展

祭りの主役である神輿の海上渡御は、他にはない独特なものであり、年々参加者は増加しました。しかし、最初に設定された7月10日は、東北地方の梅雨に重なることが多く、豪雨に見舞われることがしばしばありました。これが理由で、1963年より開催日が8月5日に変更されました。

祭りは1960年のチリ地震の津波による影響を受けながらも、祭りは継続され、1964年には新たに志波彦神社の神輿が参加することになりました。また、1981年には「塩竈おまつり音頭」が完成し、祭りに華を添えるようになりました。

平成以降の変化

1989年には「よしこの塩竈」という楽曲が誕生し、現在も塩竈みなと祭の中で多くの市民が踊る場面が見られます。2011年の東日本大震災においては、祭りが影響を受け、規模を縮小しても開催され続けました。2020年〜2021年には新型コロナウイルスの影響で祭り全体が中止となり、その影響が多くの地域でも感じられましたが、2022年には3年ぶりに開催され、花火大会も復活を遂げました。

祭りのアクセスや関連イベント

祭りにはJR東日本の臨時列車が運行されるため、アクセスは比較的良好です。また、御座船をテーマにしたチョロQの制作・販売なども行われ、地域の活性化に寄与しています。

塩竈みなと祭は、地域の経済や文化の復興を象徴する重要な行事であり、多くの人々に親しまれています。

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