塩竈市営汽船

塩竈市営汽船の概要

塩竈市営汽船（しおがましえいきせん）は、宮城県塩竈市に所在する公共の定期航路です。本航路は、塩釜港と浦戸諸島（桂島・野々島・寒風沢島・朴島の4島）を結んでおり、塩竈市の市民生活部浦戸振興課によって運営されています。航路愛称は「浦戸しおさい海廊」となっています。

歴史

1944年に設立されたこの航路は、当初、民間の船主による12の航路を買収し、市営化されたものです。太平洋戦争中は交通の重要な役割を果たしました。1950年代には観光客も多く利用し、松島への観光便も運行されていましたが、1968年にはこの航路が廃止され、浦戸諸島との定期便に特化しました。

大震災の影響と復旧

2011年の東日本大震災では、浦戸諸島が本土と遮断される事態が発生し、多くの困難に直面しましたが、船員たちの迅速な対応により、被害を最小限に抑えつつ、3月26日から徐々に運航を再開しました。

航路の特性

この航路では、静かな松島湾を巡航し、ほとんど欠航はないため、日常生活に必要不可欠な交通手段となっています。市営汽船の利便性は地元住民の通勤や通学だけでなく、海産物やその他の特産品の輸送にも寄与しています。2019年度の利用者数は82,893人に達しました。

特に、塩竈市立浦戸小中学校の生徒は全員がこの市営汽船を利用し、船上で教員から学ぶ「船勉」も実施されているなど、教育面でも重要な役割を果たしています。

運航形態

現在、塩釜港と朴島を結ぶ11.6キロメートルの航路が存在し、毎日数便が運航されています。具体的には、1日あたり6往復から8往復の便が運行されており、通勤通学のピーク時には多くの利用者で賑わいます。

現在の状況

2023年には、定期外と定期券を合わせると、126,342人の利用がありましたが、観光客の激減やコロナウイルスの影響により減少傾向にあります。将来的な課題として、観光促進や若年層への利用促進が挙げられています。

船舶と運航する船

塩竈市営汽船の保有する船舶には「うらと」「しおね」「しおじ」という3隻があり、それぞれが異なる役割を担っています。特に「しおじ」はその中型フェリーとして、幅広い層に利用されています。

島間の渡船

浦戸諸島内には、島間の無料渡船も運行されており、主に地元住民や観光客が利用しています。この渡船は、島々の交通を確保する重要な役割を担っています。特に「寒風沢間渡船」と「石浜間渡船」が運航されていて、地元の生活を支える一助となっています。

結論

塩竈市営汽船は地域住民にとって欠かせない輸送手段であり、その存在は地域の振興や住民生活の向上に寄与しています。今後も市民や観光客にとって利用しやすい航路として運営されていくことが期待されます。

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