塩見縄手

塩見縄手について

塩見縄手は、島根県松江市にある、松江城の北側、堀沿いに位置する約500メートルの通りです。この通りは、松江城築城時に城下町が整備された際に造られました。主要地方道松江鹿島美保関線の一部であり、現在は2車線の舗装道路ですが、かつては籠や大八車が通れる程度の細い道でした。

「縄手」とは、城下町で縄のようにまっすぐに伸びた道のことを指します。塩見縄手一帯は、江戸時代には武家屋敷が立ち並ぶ地域で、1638年に松平直政が松江城に入城した後、50石から1000石の中老格の武士たちの屋敷が建てられました。

塩見縄手の名前の由来は、松平直政の家臣で、松江藩の中老で町奉行を務めた塩見小兵衛が、この通り沿いの屋敷に住んでいたことにちなんでいます。彼の栄進を記念して、この通りが「塩見縄手」と呼ばれるようになりました。

歴史的景観

塩見縄手には、江戸時代の面影が今も色濃く残っています。堀端に並ぶ老松は、造成当時から植えられており、歴史を感じさせます。また、北側には武家屋敷、長屋門、白壁の建物が残っており、当時の雰囲気を伝えています。

特に有名なのが、塩見家の屋敷や、明治時代に『知られざる日本の面影』などの作品で日本を紹介したラフカディオ・ハーン（小泉八雲）が生活した建物、そして小泉八雲記念館です。これらの建物は、通り沿いに建っており、歴史的な景観を構成する重要な要素となっています。

小泉八雲記念館から、松平7代目の不昧公によって建てられた茶室である明々庵までの区間は、松江市伝統美観指定地区に指定されており、その美しい景観は保護されています。また、1984年には、景観を損なわないように電線が地中に埋められ、信号機や街路灯もクラシックなデザインのものに交換されました。

文化的な価値

塩見縄手は、その歴史的、文化的な価値から、「日本の道100選」や「新・日本街路樹100景」にも選ばれています。沿道の松並木は、特に美しく、訪れる人々を魅了しています。

周辺施設

塩見縄手周辺には、以下のような施設があります。

武家屋敷: 資料館として公開されており、江戸時代の中級武士の生活を知ることができます。
小泉八雲旧居: 小泉八雲がセツ夫人と過ごした場所で、国の史跡に指定されています。
小泉八雲記念館: 小泉八雲に関する資料を展示しています。
明々庵: 松平治郷が建てた茶室です。
田部美術館
島根大学旧奥谷宿舎: 旧制松江高等学校の外国人宿舎として利用されていました。

アクセス

塩見縄手へは、山陰本線松江駅からレイクラインで15分、「塩見縄手」バス停下車すぐです。

塩見縄手は、松江の歴史と文化を感じられる、魅力的な観光スポットです。ぜひ一度訪れてみてください。

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