塩谷庄吾

塩谷庄吾（しおたに しょうご）は、1966年9月11日に大阪府で生を受けた日本の男性俳優である。本名は芸名と同じだが、俳優活動の一時期には「塩谷将吾」という名義を使用していたことでも知られる。2002年5月5日に35歳という若さでこの世を去った。

ジャパンアクションクラブ（JAC）の15期生として俳優の道を歩み始めた塩谷は、鍛え上げられた肉体と高い身体能力を特徴としていた。身長は187センチメートル（JAC入団時は186センチメートル）、体重は85キログラム（JAC入団時は80キログラム）という恵まれた体格を持ち、空手道（極真カラテの茶帯）、乗馬、スケートボードを得意としていた。これらの特技は、彼が演じるアクションシーンに説得力を与えた。JACでの活動後、スパイスに所属し俳優としてのキャリアを本格的に展開していく。趣味は日光浴や模型作り、好きな色は黒であった。普通自動車免許も取得していた。

塩谷はテレビドラマ、映画、オリジナルビデオ、舞台、CM、バラエティ番組と、多岐にわたる分野で活躍を見せた。特に特撮作品への出演が多く、代表作としては1988年から1989年にかけて日本テレビ系列で放送された『電脳警察サイバーコップ』が挙げられる。この作品で彼は北条明（マーズビット）役を演じ、番組への思い入れは非常に強かったとされ、かつてインタビューで「またいつかサイバーコップを」と語っていたというエピソードが残っている。また、東映のメタルヒーローシリーズでは『世界忍者戦ジライヤ』や『重甲ビーファイター』に、ウルトラシリーズでは『ウルトラマンティガ』に誘拐宇宙人のボス役として登場し、『ウルトラマンガイア』には林幸市役でレギュラー出演するなど、ヒーローの敵や個性的なキャラクターを演じ分ける手腕を見せた。

その他のテレビドラマでは、『刑事貴族3』や『愛しの刑事』といった刑事ドラマ、NHKの『新宿鮫 無間人形』などに出演。映画では、『将軍家光の乱心 激突』、『稲村ジェーン』、『あぶない刑事リターンズ』といった話題作や、『東京攻略』のような海外作品にも顔を出している。1992年のオリジナルビデオ『HAKEN 覇拳 ふりむけば修羅』では主演を務めるなど、活動の幅は広かった。舞台では『青春の出発』や『CHANEL』などに出演経験があり、CMでは大正製薬「ワイパア」のワイパアマン役やコカ・コーラ「キュン」で父親役を演じるなど、お茶の間にもその姿を届けた。バラエティ番組では、ミュージシャン篠原ともえのバックダンサーや、『BANG! BANG! BANG!』に登場するグラディエーター「NINJA」としても出演し、意外な一面も見せている。

俳優として精力的に活動していた矢先の2002年5月5日、塩谷庄吾は東京都渋谷区の道玄坂にあるビルから飛び降りて死去した。享年35歳。その突然の訃報は、多くのファンや関係者に深い悲しみと衝撃を与えた。

アクションで培った身体能力と長身を生かし、悪役から個性的なキャラクターまで様々な役柄を演じた塩谷庄吾。短い人生であったが、特撮作品や刑事ドラマ、映画、舞台など、幅広いジャンルで確かにその存在感を示した俳優として、特に『電脳警察サイバーコップ』のマーズビット役は今なお多くのファンの心に刻まれている。

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