塩谷惟純

塩谷惟純 - 平安末期の武将

塩谷惟純（しおのや これずみ）は、平安時代末期に活躍した下野国塩谷郡の武将であり、源姓塩谷氏の二代目当主として知られています。彼の人生は、不幸な幼少期から始まり、父の仇を討つ壮大な物語へと繋がっていきます。

幼少期の不幸

惟純は、父・塩谷頼純を母方の祖父である原重房の謀略によって3歳の時に失います。このような悲劇の中で、母の弥生も自害し、彼は乳母の更科に託されます。更科は、岩瀬の郡司である岩瀬権太夫の養子に惟純を育てることになり、ここから長い運命を歩み始めるのです。惟純は、岩瀬太郎家村の名で成長し、13歳で元服しました。彼は自身の複雑な出自を知らぬまま青年時代を迎えることになります。

15歳の頃、彼は乳母の死の際に真相を聞かされます。この事実を受けて、惟純は軍勢を起こし、上洛へと赴く決意を固めました。自身の父を討たれた敵、原重房に立ち向かうべく謀を巡らせることになります。

復讐の旅

上洛した惟純は、父の旧臣である長井次郎安藤太の助力を得て、原重房に対する討伐を実行に移しました。この戦で彼は見事に糾弾を果たし、母方の祖父の縁により重房は死罪にされることはありませんでしたが、追放される結果となります。この功績により、惟純は塩谷郡に復帰し、塩谷荘三十三郷を支配することになります。彼が居城を矢板城に置いたとする伝承も残されています。

復帰の時期とその背景

塩谷氏が信仰していた寺山観音寺の縁起に基づくと、惟純の復帰時期は永治元年（1141年）とされています。ここに記録された「武者が嶽の戦い」は、彼が争った記録として重要ですが、記述年代は永保2年（1082年）とされ、混乱が生じています。このことで新たな疑問が浮かび上がり、時代的な誤解があるのではと指摘されるようになりました。尽力している多数の研究者によって真実が探求される中、惟純の年齢を考えると、この説には一定の信ぴょう性があるとの見解もあります。

最後の日々と死亡

惟純の生年および没年については、正確な資料が残されていません。『喜連川塩谷系譜』では、「信州ニテ討死」とのみ記されていますが、彼が亡くなった可能性の高い時期を探る研究が続いています。また、同系譜は惟純の子である源惟頼が生存していた嘉応元年（1169年）の記述から、惟純がその前に亡くなった可能性も示唆しています。

猪瀬あたりの資料には、惟頼の命日の記述に曖昧さがあり、父と子の年齢の錯誤が考えられています。これにより、父・惟純は治承2年に亡くなったのかもしれないと考えられていますが、結局、確固たる証拠は見つかっていません。


こうした複雑な生涯を持つ塩谷惟純は、当時の武士としての試練や栄光を経た後、歴史の中でどのように位置づけられるのか、今後も研究が続けられることでしょう。

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