塩谷隆綱

塩谷 隆綱（しおのや たかつな）

塩谷隆綱は下野国塩谷郡の武将であり、川崎城の城主として名を馳せた人物です。彼は、塩谷教綱を父に持ち、教綱の死後、1458年5月8日に家督を継ぎました。隆綱は、文献においてその生涯のさまざまな側面が記録されています。

生涯の歩み

隆綱が家督を継いだ2年後、彼は自らの軍事的な才能を発揮します。1460年4月18日、那須勢の福原勝馬が支配していた沢村城を攻撃し、見事に落城させることに成功しました。さらに、勝馬を捕らえ、その首をはねることで、自らの地位を固めました。その後、大沢氏を新たに沢村城の城代としました。

隆綱は、1473年7月7日に再度、その軍事力を発揮します。この時、沢村城に送り込まれた間者を一掃し、城代の大沢氏に領地を加増しました。そして、山本兵庫守を新たに城代として任命しました。

野沢城の築城

1478年には、家臣の大沢淡路守の指示により、金沢の地に野沢城を築くことができました。この時期、隆綱は那須勢との戦いを繰り広げ、約1年の間、地域の支配をめぐって激しい戦闘を行っていました。

宇都宮氏との和睦

隆綱は、これまで対立していた宇都宮氏と和解することに成功します。特に、文明10年（1478年）1月7日には、宇都宮氏の当主であった正綱の四男、弥六郎を養子として迎え入れ、家督を継がせました。この取り決めは、地域の治安を安定させる重要な一歩となりました。

当時の文献には、宇都宮二荒山神社が所蔵する『慈心院造営日記』があり、1718年11月18日に行われた能舞台に隆綱が参加していたことが記録されています。これは、彼が宇都宮家の宿老として活動していたことを証明するものとなります。

隆綱の死と存在の真偽

隆綱は、延徳元年12月28日に人生を閉じました。享年は51歳でした。彼の存在については、秋田塩谷系譜に明記されているものの、他の資料にはほとんど登場しないため、彼の存在を否定する意見もあります。一部では、教綱の死によって塩谷氏が断絶し、塩谷孝綱がその後再興したとする説明もあります。

しかし、この説明には疑問が残ります。1458年から1480年代半ばまでの20年以上にわたり、塩谷氏の家督が空白となることは考えにくく、その間の事績も少なからず存在しています。中には信憑性に乏しいものもありますが、信頼に足る資料も存在しており、隆綱が塩谷氏の当主として実在したことは確かなのではないかと考えられています。

参考資料

• - 『矢板市史』
• - 『ふるさと矢板のあゆみ』
• - 『喜連川町史』
• - 『氏家町史』
• - 『塩谷町史』

もう一度検索