沢村城

沢村城の歴史と特徴

沢村城（さわむらじょう）は、栃木県矢板市の大字沢村に存在していた日本の城で、1187年の文治3年に築城され、1590年の天正18年に廃城となりました。この城は那須氏と塩谷氏という2つの武士団の対立のシンボルでもあり、戦国時代の乱世において非常に重要な役割を果たしました。

城の概要と築城の背景

沢村城は、那須資隆の七男である沢村満隆によって建設されました。当初、塩谷氏との勢力争いを意識した築城であったと言われていますが、具体的にどちらの城が最初に建てられたのか、また両城が同時に整備されていたのかは、資料による情報が不足しており詳細は不明です。

城の周辺には、同じく大字沢村に位置する旧沢城があり、この城は一時的に那須氏と塩谷氏の争いの舞台となったことでも知られています。古い記録によると、応永21年（1414年）には、那須氏の内部対立が激化し、旧沢城の歴史と関連付けて考えられることが多いです。

城の歴史

14世紀・15世紀の攻防

満隆の後、沢村城は主に那須氏の手にありましたが、やがて塩谷氏の出城としても利用されました。特に、14世紀初頭において城の奪取合戦が繰り広げられました。例えば、1314年に塩谷勢に攻められた際、城代であった福原主膳が討たれ、塩谷氏が城を掌握します。その後、甲冑を着た勇士たちが城を巡って争ったりもしました。

さらに、1395年には再び塩谷氏が沢村城を取り返そうとして3千の兵で包囲しましたが、佐竹氏の介入によって和解が成立するなど、常に勢力の変遷が激しい時代が続きました。

家族の内紛と大戦

この城は特に那須氏内部での家族間の対立、つまり那須資之とその弟である資重の争いで知られています。1413年には著名な戦いが行われ、資之が資重の居城を攻め、壮絶な死闘が繰り広げられました。この戦の結果、沢村城は資之側に帰属し、城代には須藤五郎が任命されましたが、一族の対立は終息せず、上下2つの流派に分かれて存続しました。

塩谷氏との安定した期間

塩谷氏の時代が続く中で、沢村城は彼らの重要な拠点として機能しました。1460年、塩谷氏は再び城を攻撃し、勝利を収め、城代には大沢助十郎が任命されました。その後126年間にわたり、塩谷氏の支配が続くことになります。しかし、那須氏との小競り合いは続き、度々城は奪還されたり、実質的な管理が交代しました。

終焉

最終的に1570年代末には、那須氏が薄葉ヶ原の合戦で勝利した後、完全に沢村城を掌握しましたが、1585年の小田原征伐によって那須氏が改易され、結果的に沢村城も廃城となりました。

現在、城跡は比較的保存状態が良好であり、周囲の自然と調和のとれた景観を形成しています。多くの歴史的背景を持つ沢村城は、地域の人々にとって貴重な文化遺産となっています。

参考文献

• - 矢板市史編集委員会編 『矢板市史』矢板市、1981年。
• - 矢板市『遺跡地図』
• - 塩谷朝業顕彰会編 『塩谷朝業』塩谷朝業顕彰会、1975年。

このように、沢村城は栃木県の歴史の中で非常に重要な位置を占める城であり、さまざまな歴史的事件や戦いの舞台として名を残しています。

もう一度検索